輸入食品の食中毒菌モニタリングプラン策定手法に関する研究

文献情報

文献番号
201033019A
報告書区分
総括
研究課題名
輸入食品の食中毒菌モニタリングプラン策定手法に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 穂高(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 伊藤 健一郎(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 豊福 肇(国立保健医療科学院 国際協力研究部 )
  • 森田 幸雄(東京家政大学 家政学部)
  • 武士 甲一(帯広畜産大学 農学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国にはシステマチックな微生物モニタリングシステムは存在しない。そこで、本研究では、我が国において統合的な輸入食品の微生物モニタリングプランを作成するために必要な基礎的事項を検討することを目的とする。
研究方法
1.海外の文献調査及び訪問調査で輸入食品のモニタリングシステムについて調査した。
2.アジア地域における食品汚染実態調査をサルモネラ、腸炎ビブリオ、サルモネラ、カンピロバクター等について行った。
3.赤痢の国内事例について疫学調査手法を検討し、食品由来の赤痢について検討した。
4.赤痢菌およびリステリアモノサイトゲネスの患者及び食品由来株について分子疫学的に検討した。
結果と考察
欧州の食品および飼料に関する早期警告システムをレビューし、頻繁に警告が発せられている輸出国、食品及び病原微生物の組み合わせを調査し、優先的に検査すべきリストの作成を試みた。
東南アジアの田舎の市販豚肉は高度にサルモネラ汚染していた。
輸入食品によるリステリア症罹患リスクを明らかにする目的で、リステリア30菌株についてMulti-Locus Variable-number of tandem repeat Analysis(MLVA)を実施し、昨年度のPFGE法の結果と比較検討を行っている。
赤痢の国内発生数は63例で、第37週からソンネ菌の発生数が増加し、疫学情報の収集と細菌第1部と協力して分子疫学解析を行った。また、赤痢の簡易標準調査票の改定を行い、九州山口地区感染症関係機関連絡会議で調査を依頼した。
赤痢菌、主としてShigella sonneiを対象に、国内例および輸入例の患者分離株に関してMLVAを用いた遺伝子型別による解析を行った。海外ツアー、家族内感染事例に加え、稀ではあるが、複数県で同じ遺伝子型に判定される菌株が同定される場合もあった。特に2010年10月には特定のMLVA型による流行が発生した。しかしながら、疫学調査では食材等の原因について共通性を見出すことはできなかった。
結論
1.海外では、輸入食品を対象としたモニタリング検査を行い病原体と食品の組み合わせでハイリスクのものを対象に行っていた。
2.アジアの食品でサルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、チフス菌、赤痢菌、コレラ菌の汚染が見られた。
3.簡易調査票の改良とそれを用いた調査が必要である。
4.赤痢菌のクラスター解析により事例ごとのクラスター集積が見られた。リステリアはMLVLTのパターンが食品ごとにある程度分類可能であった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033019Z