サージカルトレーニングのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201031073A
報告書区分
総括
研究課題名
サージカルトレーニングのあり方に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-053
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
七戸 俊明(北海道大学 大学院医学研究科 腫瘍外科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
手術手技の技術向上を目指したトレーニングは医療安全・卒後教育の観点から必須である。平成20年度厚生労働科学研究では、遺体を用いた手術手技修練(cadaver training) の国内での実施にむけた整備が必要であることを指摘した。また、平成21年度研究で実施した全国の大学病院の外科系診療科および解剖学教室へのアンケート調査では、外科側のニーズはあるものの、解剖学側からは実施に先立ち法的な問題が払拭されるべきとの回答が得られた。
死体解剖保存法において、医学の教育又は研究を目的とした解剖は所定の要件の下で実施できるが、遺体を用いた外科手術手技等の教育研究は、死体解剖保存法における「解剖」の枠内であるかの基準がなく、ひろく普及するに至っていない。本研究では現行法での遺体による手術手技研修等を実施するさいの要項をガイドライン案としてまとめた。
研究方法
・「ガイドライン案」の作成
国内、海外でのcadaver trainingの実態を調査し、法的、倫理的な点を討議し、わが国でcadaver trainingを実施するさいに順守すべき点を「ガイドライン案」としてまとめた。
・海外の事例の調査と公表
ジュネーブ大学を対象に調査を行い、調査結果を昨年度の研究結果と合わせて検討した。
結果と考察
・「ガイドライン案」の作成
高度な手術手技に対する医療手技実習以外にも、医療安全の向上を目的とした医学教育や、新規の医療技術の研究・開発などにおいても遺体利用の必要性が認識されていることから、広く臨床医学の教育研究における死体解剖全般を対象とした「ガイドライン案」を作成し、論文として公表した(七戸ほか、日外会誌112(4)、解剖誌86(2))。
・海外の事例の調査と公表
調査結果は今後の参考とすべく論文にして公表した(杉本ほか、日外会誌112(4))。日本での実施には大学の解剖学教室の指導監督が必須であるが、欧米での実施方式には、解剖学教室が関与せずに大学や病院が運営する方式(例:アメリカ合衆国)と、解剖学教室が主体となる方式(例;カナダ、スイス)があった。
結論
臨床医学の教育研究における死体解剖の実施に関する「ガイドライン案」を示した。本研究は今後、日本外科学会「ガイドライン検討委員会」に引き継がれ、検討のうえ「ガイドライン」として公表予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031073C

収支報告書

文献番号
201031073Z