歯科の疫学調査における歯科疾患の診断基準並びに客体数に関する研究

文献情報

文献番号
201031068A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科の疫学調査における歯科疾患の診断基準並びに客体数に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-048
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
米満 正美(岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座口腔保健学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 秀夫(新潟大学大学院口腔健康科学講座予防歯科学分野)
  • 田上 順次(東京医科歯科大学大学院摂食機能保存学講座う蝕制御学分野)
  • 飯田 順一郎(北海道大学大学院口腔機能学講座歯科矯正学教室)
  • 鶴本 明久(鶴見大学予防歯科学講座)
  • 安藤 雄一(国立保健医療科学院生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は平成23年に実施が予定されている歯科疾患調査に向けて、歯科疾患の診断基準、調査客体数ならびに新規項目の必要性等に関して検討することを目的とした。
研究方法
1. 文献による検討
前回(平成17年度調査)以降に学術雑誌に発表された本研究に関連する論文を検索し、現行の調査方法と比較検討した。
2. 関連する各種調査結果のリンケージによる検討
歯科疾患実態調査と同時期、同客体で行われた国民健康・栄養調査と国民生活基礎調査の結果をリンケージすることにより、「客体の選択バイアス」、「客体数の減少が偶然誤差に与える影響および口腔診査と質問紙法による現在歯数の比較」、「歯科医院受診者の特性」について分析した。
3. 質問調査による検討
新規調査項目として「口腔関連QOLと歯の動揺度との関連」を加える妥当性について、質問紙調査による検討を行った。

結果と考察
1. 診査基準と質問票について
(1)齲蝕に関しては前回の診査基準を凌駕する方法は確立されていないことから、前回同様の基準で実施することを提言した。
(2)歯周疾患の診査は前回まで採用してきたCPIを用いて今回も実施することを提言した。
(3)歯列・不正咬合に関しては、従来の方法に加えて骨格型の不正咬合を診査する必要性から、上下第一大臼歯の近遠心的関係について評価することを提言した。
(4)質問項目に関しては将来的なことも考慮し、PRECEDE Modelを用いた「歯科疾患予防対策モデル」と「高齢者の口腔保健推進モデル」について検討し、必要な質問項目を提言した。
2. 調査客体について
(1)参加率の低下に関わるいくつかの客体選択バイアスを明らかにした。
(2)本調査への参加率がこのまま低下すれば偶然誤差は逆に増大することを明らかにした。また、質問紙法による「現在歯数」と本調査での口腔内診査の「現在歯数」を比較した結果、智歯の数を考慮すれば質問紙法でもかなりの精度で推定できる可能性が示された。
(3)国民健康・栄養調査と歯科疾患実態調査の結果から歯科医院受診者の特性について分析した。
3. 新規項目の検討
(1)咬合支持の有無について検討し、臼歯部における咬合支持の有無についての診査法を提言した。
(2)口腔関連QOLと歯の動揺度との関連について検討した結果、現在歯数に加えて前歯部の動揺を調査することで口腔関連QOLを評価できる可能性が示された。
結論
我が国の歯科保健統計の基本である歯科疾患実態調査について検討し、いくつかの提言をした。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031068C

収支報告書

文献番号
201031068Z