診療録等標準形式情報を活用した各種定型文書の作成・情報共有に関する研究

文献情報

文献番号
201031059A
報告書区分
総括
研究課題名
診療録等標準形式情報を活用した各種定型文書の作成・情報共有に関する研究
課題番号
H21-医療・指定-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(国立大学法人 浜松医科大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 隆一(国立大学法人 東京大学大学院 情報学環)
  • 中島 直樹(国立大学法人 九州大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院情報システム利用の文書作成は、自治体や保険会社などへの提出書類のような従来ニーズに加え、多施設参加臨床研究、薬剤安全性報告などのような新用途が今後増えていくであろう。そのためには、標準的形式でのデータはき出し、簡便な書類作成手段、安全で正当な院内システムの扱いと送出、が必要である。昨年度の研究を更に進め、今年度は、①厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(SS-MIX)標準化ストレージ利用の多施設での同一プロトコル臨床検索、②医療情報システム安全ガイドライン、新GCP対応、③処方中止時のオーダ画面上の有効性・副作用、④ケースカード作成コスト電子化による試算、を柱として行う。
研究方法
①SS-MIX標準化ストレージ、臨床検索システム導入の浜松医大病院と九州大学病院で同一プロトコルによる検索を行い、検証した。②HISデータを整形、外部にオンライン、オフラインで報告という設定でのガイドライン注意点を明確化した。③浜松医大病院のオーダエントリシステムを改良し、薬剤投与中止時の理由などを問う機能の活用を検証した。④ケースカード作成時、紙ベース、EDC、非標準形式データ蓄積HIS、標準形式データ蓄積HIS、SS-MIX標準化ストレージ利用、各手段によるコスト試算を行った。
結果と考察
①複数施設での同一プロトコル検索可能という検証結果は、SS-MIX標準化ストレージ、または、HL7v2.5準拠HIS導入医療施設が500を超えている現状況から同様な検索が全国的に容易となることを示せた。②オンライン文書配信は、適切な配慮、形態決定の必要がある。新GCP、21 CFR Part 11対応可能が示された。パスワード変更頻度やデータ端末の管理などの運用面が施設側の今後の課題として残る。③試作により得た情報をSS-MIX標準化ストレージの検査結果や処方歴などと半自動でのケースカード作成に発展できるであろう。④HIS(SS-MIX)からのケースカード作成コストは、処方、検体検査結果などの項目が増えるほど単価コストが低くなることが判明した。
結論
多施設参加臨床研究、薬剤安全性報告などのような今後増加すると予想される各種文書作成の新用途について、本研究により実現可能であることが示された。また、コスト面においても、この手法の優位性が示された。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
201031059B
報告書区分
総合
研究課題名
診療録等標準形式情報を活用した各種定型文書の作成・情報共有に関する研究
課題番号
H21-医療・指定-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(国立大学法人 浜松医科大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 隆一(国立大学法人 東京大学大学院 情報学環)
  • 中島 直樹(国立大学法人 九州大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
静岡県、厚生労働省、経済産業省の医療情報に関する事業による既構築の各種文書システム、HISからの標準的データアーカイブを基盤とした医師の業務負担軽減のための簡便、効率的、迅速なシステムを構築する。医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、新GCP(アメリカの21 CFR Part11)対応により、監査証跡に配慮した信頼されるシステムとする。患者への情報提供方法に追記、長期安全管理可能媒体の検討、可用性の実証を行う。データの出入りについて、SS-MIX標準化ストレージ利用による複数施設情報の統合の可能性を実証する。
研究方法
①患者への情報提供として指紋認証機能付USBフラッシュメモリへの書き出し、追記、診療情報の新旧、他施設利用時のための継続的表示をSS-MIX標準化ストレージのデータ利用により実証した。②副作用などの報告書のSS-MIX標準化ストレージ利用による半自動データ記入されるシステムの構築、効率を測定した。③ガイドライン、新GCPに対応機能を明確化した。④複数施設における同じ検索条件での副作用の検索を行った。
結果と考察
①患者への情報提供として、指紋認証機能付USBフラッシュメモリの利用は、安全、簡便、機能面においても有用であったが、より多くの患者の方々による所持、保全、非常時における持参が行政面の問題点となろう。②文書作成効率は著明であり、医師の各種書類作成業務の負担軽減という点においても今後の貢献が実証された。③両ガイドライン対応に加え、運用面での配慮が必要であろう。④他施設における同一プロトコル検索の簡便さ、迅速さは今後の副作用報告のターニングポイントとなると考えられる。類似した検索調査を(独)医薬品医療機器総合機構から浜松医科大学病院に依頼されている。
結論
患者への臨床情報提供の安全・簡便性、医師の各種書類作成の簡便性、副作用報告、とくに多施設対象の場合の簡便性が実証された。SS-MIX標準化ストレージに診療情報データをHL7形式で出せる病院は、平成22年3月の時点で全国、594施設にも上っている状況とあわせて、今後、患者への情報提供、医師の業務負担軽減、迅速な副作用調査という点において、大きく寄与すると期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031059C

収支報告書

文献番号
201031059Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,800,000円
(2)補助金確定額
9,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-06-30
更新日
-