比較・分析による歯科関連職種における国家試験の在り方の研究

文献情報

文献番号
201031048A
報告書区分
総括
研究課題名
比較・分析による歯科関連職種における国家試験の在り方の研究
課題番号
H22-医療・一般-032
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
須田 英明(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 歯髄生物学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 石橋 寛二(岩手医科大学 歯学部 歯科補綴学第二講座)
  • 福田 仁一(九州歯科大学 口腔外科学)
  • 中垣 晴男(愛知学院大学 歯学部 口腔衛生学講座)
  • 末瀬 一彦(大阪歯科大学 歯科技工学・インプラント学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の医療技術の進歩等により、習得すべき知識・技能が従前よりも格段に増していく中で、歯科卒前教育における臨床実習時間数の減少が起こるなど、歯科医師国家試験合格者の技術能力の低下が懸念されている。このため、歯科医師として必要とされる知識だけでなく技能についての評価を適切に行うことが、ますます重要となっているが、客観的多肢選択形式による筆記試験で実施されている現行の歯科医師国家試験では、技術能力を適正に評価できているかについては、未だ十分に検討がなされていない。本研究では、歯科関連職種における国家試験について海外における状況を調査するとともに、その内容および実施方法等について比較・分析を行う。特に技術能力評価の試験については、海外での導入状況を詳細に確認するとともに、日本国内における試験の在り方について検討し、提言を行う。
 
研究方法
歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士に関する各国の国家試験を主とした教育状況に関するアンケートをエクセル形式のファイルで作成した。アンケート内容は主に多肢選択形式であった。この3種類のアンケートを各研究分担者が姉妹校・交流のある研究者・留学生等にメール添付でファイルを送付し、回答を依頼した。得られた回答を集計し、データ分析を行った。
結果と考察
歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士に関するアンケートについて、それぞれ27・21・13ヶ国より回答が得られた。そのうち、国家試験実施国はそれぞれ14・3・3ヶ国であった。試験内容は筆記試験が主に行われていた。歯科医師国家試験に関しては約半数の国で大学卒業後に受験しており、試験日数は1日が多かった。さらに半数以上の国で合格率が80%以上であった。試験内容としては、すべての国で口腔と全身疾患との関係に関する問題を出していたが、禁忌肢問題を出題している国は1ヶ国に留まった。臨床技能試験については、患者を用いた臨床評価が4ヶ国、模型をもちいる臨床評価が5ヶ国、臨床問題が4ヶ国であった。受験回数制限を設けない国がほとんどであった。歯科衛生士・歯科技工士に関する情報の収集はかなり困難であった。
結論
歯科関連職種の国家試験については、その有無をはじめ、国家により様々な教育形態・資格取得形態がとられていた。さらに、調査国を増加させるとともに、各国の経済状態、教育状態等を勘案した総合的な分析が必要であると思われた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031048Z