医療安全に焦点をあてた総合的医療リスクコミュニケーション教育プログラムの開発と実践

文献情報

文献番号
201031006A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全に焦点をあてた総合的医療リスクコミュニケーション教育プログラムの開発と実践
課題番号
H21-医療・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 廸生(横浜市立大学 附属病院 医療安全管理学)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 泰子(千葉大学大学院 看護学研究科 看護システム管理学)
  • 山本 武志(千葉大学 看護学部 地域看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては、より日常的な医療従事者間、医療者患者間の安全にかかわるコミュニケーションに焦点を当てた、リスクコミュニケーション教育プログラムを開発することを目的とした。
研究方法
昨年度の研究成果等も踏まえ、教育プログラムの基本方針及び学習テーマを検討した。決定した学習テーマについて、既存の教材等も参考にしつつ、医療リスクコミュニケーションの観点から必要な加筆修正を行い、教育プログラムのたたき台を作成した。さらに、医療安全、患者教育、薬学等を専門とする研究協力者を交えたディスカッションを行うなどしてプログラムを修正した。
開発した教育プログラム案の内容の妥当性や実用可能性等について、医療専門職の立場からの評価(一次評価、二次評価)を行った。教育プログラムを実際に使用してもらった上で、半構造化面接法による聞き取り調査を行った。対象者は3年以上の経験を有する医療専門職(主に看護職)で、プログラムの内容に関連した領域での臨床経験を有する者計13名とした。
結果と考察
教育プログラムの学習テーマを、「ワーファリンの服用」、「外来化学療法」、「MRI検査」、「ノロウイルス感染症」、「上部消化管内視鏡」の5つに設定し、患者-医療者間の適切なリスクコミュニケーションを確保・促進する患者向け教育プログラムを制作した。
医療専門職による評価の結果、開発した教育プログラムは概ね「現場での活用可能性」を備えていると評価された。
評価者からの助言に基づく改変を行い、患者-医療者間の適切なリスクコミュニケーションを確保・促進するための患者向け教育プログラムとして取りまとめた。また、この過程では「医療教育プログラム開発におけるリスクコミュニケーションに関するチェックスト(案)」を開発、活用した。このチェックリストを用いることで効果的な教材開発支援を促進することが示唆された。
結論
本研究の成果として、患者向け教育プログラムの雛型を提示した。このようなプログラムを活用することで、各医療機関においてリスクコミュニケーションを促進する患者向け教材の開発が一層促進されることが期待される。
今後は、本研究の成果を活用しながら、多忙な医療現場における患者向け教育プログラム作成支援のためのツール群や方法論を検討することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

文献情報

文献番号
201031006B
報告書区分
総合
研究課題名
医療安全に焦点をあてた総合的医療リスクコミュニケーション教育プログラムの開発と実践
課題番号
H21-医療・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 廸生(横浜市立大学 附属病院 医療安全管理学)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 泰子(千葉大学大学院看護学研究科看護システム管理学専攻)
  • 山本 武志(千葉大学大学院看護学研究科保健学教育研究分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療、疾病に関連したコミュニケーションの円滑化、促進を図るために、患者、市民向け及び医療従事者向けに、日常的な医療従事者間、医療者患者間の安全にかかわるコミュニケーションに焦点をあてたリスクコミュニケーション教育プログラムの開発することである。
研究方法
初年度は、原子力、公共事業(主に災害)、環境・化学物質、食品等の分野等におけるリスクコミュニケーション促進のための事例等を収集し整理した。さらに、医療分野のリスクコミュニケーションに関して、教育すべき対象者、取り上げる場面、教育内容の特性、市民等におけるリスクの認知特性等を勘案し、医療安全に関するリスク及びリスクコミュニケーションの全体像の可視化を行った。最終年度は、初年度の研究成果も踏まえつつ、医療における患者教育プログラムが備えるべきポイントを整理したチェックリストを作成し、「ワーファリンの服用」、「外来化学療法」、「MRI検査」、「ノロウイルス感染症」、「上部消化管内視鏡」をテーマとする患者-医療者間のリスクコミュニケーションに配慮した患者向け教育プログラムを作成した。
結果と考察
内容の妥当性や実用可能性等の視点で、医療専門職による評価(一次評価及び二次評価)を行った。二次評価では、3年以上の臨床経験を有する医療専門職(主に看護職)からの評価を受けたところ、「現場での活用可能性」はいずれのテーマについても5段階の評価尺度のうち平均で4.0以上という結果であった。さらに評価結果に基づく改修を行い完成度を高めた教育プログラムを、患者-医療者間の適切なリスクコミュニケーションを確保・促進するための患者向け教育プログラムとして取りまとめた。
結論
内容の分かりやすさや、内容の充実度の観点でさらに改善すべき点は残されているものの、教育プログラムとして概ね実用可能性が確保されたと言える。今後は、本研究の成果を活用しながら、多忙な医療現場における患者向け教育プログラム作成支援のためのツール群や方法論を検討することが期待される。また、制作した教育プログラムは、各医療機関の事情や考え方に合わせてコンテンツを編集・改変することを前提として作成されており、このようなコンテンツを雛型として活用することで、各医療機関においてリスクコミュニケーションを促進する患者向け教材の開発が一層促進されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031006C

収支報告書

文献番号
201031006Z