歯科医療における安全管理評価法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201031004A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医療における安全管理評価法の確立に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 昌彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(歯学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 助村 大作(社団法人日本歯科医師会 地域保健課)
  • 森崎 市治郎(大阪大学 歯学部附属病院)
  • 端山 智弘(府省共通研究開発管理システム 衆議院第2歯科診療室)
  • 高橋 民男(社団法人藤沢市歯科医師会)
  • 北村 隆行(社団法人藤沢市歯科医師会)
  • 相川 敬子(社団法人日本歯科衛生士会)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学)
  • 馬場 一美(昭和大学 歯学部)
  • 小谷 順一郎(大阪歯科大学)
  • 深山 治久(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
  • 式守 道夫(朝日大学 歯学部)
  • 俣木 志朗(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 倉林 亨(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 一戸 達也(東京歯科大学)
  • 丹羽 均(大阪大学大学院 歯学研究科)
  • 佐藤 慶太(鶴見大学 歯学部)
  • 三輪 全三(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 安藤 文人(日本歯科大学 附属病院)
  • 宮本 智行(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
6,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は歯科医療の質・安全向上のために,歯科医療に特化した医療安全の適切な評価方法のあり方を検討し,我が国の実態に即した安全管理評価法の確立を目指すものである。
研究方法
 前年度と同様、新たに開発した月毎のインシデント事例件数調査様式を用い、1.開業形態の個人歯科診療所、2.歯科医師養成機関としての大学附属病院、3.歯科口腔外科等の総合病院歯科等、4.障害児者等専門歯科診療所の4つのモデル組織を構築し、事前に説明し、インシデント事例等の調査を行った。インシデント事例等をもとに安全管理向上に資するための評価基準を検討し、我が国の歯科医療に特化した歯科医療における安全管理評価法について検討した。本研究で実施されたインシデント報告調査については東京医科歯科大学歯学部および各研究者の所属する医療機関の倫理委員会において承認を得て行われた。
結果と考察
 平成22年4月から平成23年3月までに得られたインシデント事例件数は、総数21,374件であった。インシデント事例の内容は、「受付・応対・接遇」、「インフォームド・コンセント」、「処置・手術」が多かった。原因としてヒューマンエラー、システム上の欠陥および教育上の問題が考えられた。歯科診療における質の向上とインフォームドコンセントの重要性が再認識されるとともに、教育研修とその評価法の確立が重要であると考えられた。また、得られたインシデント事例等を検討し、歯科医療における安全管理評価法「歯科診療所における医療安全のためのセルフチェック(案)」を作成した。
結論
 歯科診療に特徴的な4つのモデル組織を構築し、国内多施設の歯科診療機関にてインシデント事例調査を行った。平成22年4月から平成23年3月までに総数21,374件であった。得られたインシデント事例等を検討し、「歯科診療所における医療安全のためのセルフチェック(案)」を作成した。今後は、さらなる大規模な調査を推進して、作成した安全評価法の評価と改善が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-10-12
更新日
-

文献情報

文献番号
201031004B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科医療における安全管理評価法の確立に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 昌彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(歯学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 助村 大作(社団法人日本歯科医師会 地域保健課)
  • 森崎 市治郎(大阪大学 歯学部附属病院)
  • 端山 智弘(府省共通研究開発管理システム 衆議院第2歯科診療室)
  • 高橋 民男(社団法人藤沢市歯科医師会)
  • 北村 隆行(社団法人藤沢市歯科医師会)
  • 相川 敬子(社団法人日本歯科衛生士会)
  • 土屋 文人(国際医療福祉大学)
  • 馬場 一美(昭和大学 歯学部)
  • 小谷 順一郎(大阪歯科大学)
  • 深山 治久(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
  • 式守 道夫(朝日大学 歯学部)
  • 俣木 志朗(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 倉林 亨(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 一戸 達也(東京歯科大学)
  • 丹羽 均(大阪大学大学院 歯学研究科)
  • 佐藤 慶太(鶴見大学 歯学部)
  • 三輪 全三(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 安藤 文人(日本歯科大学 附属病院)
  • 宮本 智行(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は歯科医療の質・安全向上のために,歯科医療に特化した医療安全の適切な評価方法のあり方を検討し,我が国の実態に即した安全管理評価法の確立を目指すものである.
研究方法
本研究班で新たに開発した月毎のインシデント事例件数調査様式を用い、①開業形態の個人歯科診療所、②歯科医師養成機関としての大学附属病院、③歯科口腔外科等の総合病院歯科等、④障害児者等専門歯科診療所の4つのモデル組織を構築し、事前に説明し、インシデント事例等の調査を行った。インシデント事例等をもとに安全管理向上に資するための評価基準を検討し、我が国の歯科医療に特化した歯科医療における安全管理評価法について検討した。本研究で実施されたインシデント報告調査については東京医科歯科大学歯学部および各研究者の所属する医療機関の倫理委員会において承認を得て行われた.
結果と考察
平成21年7月より平成23年3月までに得られたインシデントの総数は49,231例であった。インシデント事例の内容は、「受付・応対・接遇」、「処置・手術など診療関係」および「インフォームド・コンセント」が多かった。原因としてヒューマンエラー、システム上の欠陥および教育上の問題が考えられた。歯科診療における質の向上とインフォームド・コンセントの重要性が再認識されるとともに、教育研修とその評価法の確立が重要であると考えられた。また、得られたインシデント事例等を検討し、歯科医療における安全管理評価法「歯科診療所における医療安全のためのセルフチェック(案)」を作成した.
結論
歯科診療に特徴的な4つのモデル組織を構築し、国内多施設の歯科診療機関にてインシデント事例調査を行った。平成21年7月より平成23年3月までに総数は49,231例であった。得られたインシデント事例等を検討し、「歯科診療所における医療安全のためのセルフチェック(案)」を作成した。今後は、さらなる大規模な調査を推進して、作成した安全評価法の評価と改善が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-10-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究班で新たに開発した月毎のインシデント事例件数調査様式を用い、歯科診療に特徴的な4つのモデル組織を構築し、国内多施設の歯科診療機関にてインシデント事例調査を行い、49,231例の多くのインシデントが報告された。先行研究である前回の調査と比較して個人開業形態の歯科診療所から報告された件数は増大し、インシデント情報収集方法の改良という面でも大きな成果が得られた。
臨床的観点からの成果
インシデント事例の内容は、「受付・応対・接遇」、「処置・手術など診療関係」「インフォームドコンセント」、が多かった。原因としてヒューマンエラー、システム上の欠陥および教育上の問題が考えられた。歯科診療における質の向上とインフォームドコンセントの重要性が再認識されるとともに、教育研修とその評価法の確立が重要であると考えられた。
ガイドライン等の開発
本研究で得られたインシデント情報等を分析し、日本の歯科医療の現状に即した歯科診療に特化した医療安全に関する適切なあり方について検討した。「歯科診療所における医療安全のためのセルフチェック(案)」を作成した。今後は、さらなる大規模な調査を推進して、安全管理の実態調査と合わせて、歯科医療における安全管理評価の確立を目指していく。
その他行政的観点からの成果
 本研究の成果により、わが国の全ての歯科医療機関における安全管理の評価が可能となり、歯科医療の安全に対する改善策を具体的に立案でき、患者本位の良質で安全・安心な歯科医療のサービスを国民に提供することに貢献し、厚生労働行政の政策立案へ寄与するものである。
その他のインパクト
 平成21年11月8日に財団法人日本救急医療財団平成21年度研究成果等普及啓発事業の助成を得て、主任研究者嶋田昌彦を中心として、わが国における歯科医療安全管理の現状と課題と題し、成果の公表を行った。また、研究協力機関である地域歯科医師会や歯科衛生士会に対して研究目的や研究成果の普及に努めた。今後、本研究成果や意義を広くわかりやすく説明するための媒体等の作成を計画している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
医療の質・安全学会誌7巻3号に本研究の概略を掲載。
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
15件
日本歯科医学会分科会での多くの学会において、本研究結果を発表し研究意義や成果を広く普及することにつとめた。
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
30件
地域歯科医師会や歯科衛生士会等に出向き、歯科医療における安全管理やインシデント収集の意義について説明し啓発活動に務めた。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2020-05-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031004Z