医療連携モデルを基盤とした総合診療系医と領域別専門医の必要数算定法と専門医制度の検討

文献情報

文献番号
201031002A
報告書区分
総括
研究課題名
医療連携モデルを基盤とした総合診療系医と領域別専門医の必要数算定法と専門医制度の検討
課題番号
H21-医療・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 毅(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大生 定義(立教大学 社会学部)
  • 千田 彰一(香川大学 医学部)
  • 山田 信博(筑波大学)
  • 大鹿 哲郎(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
  • 宮崎 俊一(近畿大学 医学部)
  • 宮川 秀一(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 田倉 智之(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,119,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の地域医療レベル向上のため、内科疾患の医療連携における総合診療系と領域別専門医の医療ニーズに応じた必要数算出法と外科系専門医の必要数算出法の検討を目的とする。その結果の専門医制度の設計への応用を最終目的とする。




研究方法
1)医療連携モデルの検討と総合診療系医師と領域別専門医の役割と必要数の算出:糖尿病と慢性腎臓病(CKD)を対象に、1.公表された医学情報に基づく医療連携モデルの類型化、2.患者数ベースの医療連携モデル作成、3.総合診療系医師と領域別専門医の診療の必要時間のアンケート調査、4.必要医師数ベースの医療連携モデル作成、5.アンケート調査による採用した医療連携モデルの妥当性、普遍性を検討、2)外科系領域別専門医の必要医師数:消化器外科専門医を対象としたアンケート調査を基礎に、技術維持に必要な手術数と総労働時間の限度を根拠とした必要専門医数の算出。
結果と考察
1)糖尿病診療において、日本で実践されている医療連携モデルを3つに類型化した。次に、医療連携システムの実態調査、医師の意識調査によって、モデルの妥当性、日本における問題点を把握した。2)糖尿病診療の必要医師数ベースの医療連携モデルを、公的医療統計、疫学研究による疾患・病態別患者数、手術数(医療需要)アンケートによる医師の診療時間(医療供給)から作成できた。専門医の必要数は、採用する医療連携システムによって異なることが確認された。3)日本腎臓学会のCKD医療連携モデルとアンケートによる必要診療時間から算出した腎臓・透析専門医の必要数は糖尿病医療連携で求めた必要数と一致した。4)糖尿病とCKDを対象とした場合、総合診療系医師の必要数は誤差が大きく、総合診療系医師の診療対象や役割の定義が必要である。5)消化器外科専門医の手術数をベースにした必要数は現状より過小、総労働時間をベースにした必要数は過大に算出された。以上から、内科系、外科系ともに領域別専門医の必要数は、患者や手術などの統計情報と医師の平均的医療供給時間から現状でも算出は可能である。しかし、さらに正確な必要医師数の算出には、精密な統計と地域医療連携やチーム医療の全国的構築が必須である。
結論
 日本の現在の専門医制度は、学会が運営する歴史的背景から、医療需要に無関係な制度となっている。本研究成果である総合診療系医師と領域別専門医の必要数の算出法を各領域での代表的疾患に応用することによって、第三者的評価・認定機関における医療ニーズに応じた専門医育成のプログラム策定応用すべきである。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

文献情報

文献番号
201031002B
報告書区分
総合
研究課題名
医療連携モデルを基盤とした総合診療系医と領域別専門医の必要数算定法と専門医制度の検討
課題番号
H21-医療・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 毅(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大生 定義(立教大学 社会学部)
  • 千田 彰一(香川大学 医学部)
  • 山田 信博(筑波大学)
  • 大鹿 哲郎(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 宮崎 俊一(近畿大学 医学部)
  • 宮川 秀一(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 田倉 智之(大阪大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究目的 日本の地域医療レベル向上のため、内科疾患の医療連携における総合診療系と領域別専門医の医療ニーズに応じた必要数算出法と外科系専門医の必要数算出法の検討を目的とする。その結果の専門医制度の設計への応用を最終目的とする。

 
研究方法
1)医療連携モデルの検討と総合診療系医師と領域別専門医の役割と必要数の算出:糖尿病と慢性腎臓病(CKD)を対象に、1.公表された医学情報に基づく医療連携モデルの類型化、2.患者数ベースの医療連携モデル作成、3.総合診療系医師と領域別専門医の診療の必要時間のアンケート調査、4.必要医師数ベースの医療連携モデル作成、5.アンケート調査による採用した医療連携モデルの妥当性、普遍性を検討、2)外科系領域別専門医の必要医師数:消化器外科専門医を対象としたアンケート調査を基礎に、技術維持に必要な手術数と総労働時間の限度を根拠とした必要専門医数の算出。
結果と考察
1)糖尿病診療において、日本で実践されている医療連携モデルを3つに類型化した。次に、医療連携システムの実態調査、医師の意識調査によって、モデルの妥当性、日本における問題点を把握した。2)糖尿病診療の必要医師数ベースの医療連携モデルを、公的医療統計、疫学研究による疾患・病態別患者数、手術数(医療需要)アンケートによる医師の診療時間(医療供給)から作成できた。専門医の必要数は、採用する医療連携システムによって異なることが確認された。 3)日本腎臓学会のCKD医療連携モデルとアンケートによる必要診療時間から算出した腎臓・透析専門医の必要数は糖尿病医療連携で求めた必要数と一致した。4)糖尿病とCKDを対象とした場合、総合診療系医師の必要数は誤差が大きく、総合診療系医師の診療対象や役割の定義が必要である。5)消化器外科専門医の手術数をベースにした必要数は現状より過小、総労働時間をベースにした必要数は過大に算出された。以上から、内科系、外科系ともに領域別専門医の必要数は、患者や手術などの統計情報と医師の平均的医療供給時間から現状でも算出は可能である。しかし、さらに正確な必要医師数の算出には、精密な統計と地域医療連携やチーム医療の全国的構築が必須である。
結論
日本の現在の専門医制度は、学会が運営する歴史的背景から、医療需要に無関係な制度となっている。本研究成果である総合診療系医師と領域別専門医の必要数の算出法を各領域での代表的疾患に応用することによって、第三者的評価・認定機関における医療ニーズに応じた専門医育成のプログラム策定応用すべきである。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031002C

収支報告書

文献番号
201031002Z