文献情報
文献番号
201030023A
報告書区分
総括
研究課題名
肝炎に関する全国規模のデータベース構築に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-肝炎・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
正木 尚彦(独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 泉 並木(武蔵野赤十字病院 消化器科)
- 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
- 祖父江 友孝(国立がん研究センター がん対策情報センター がん統計研究部)
- 新保 卓郎(国立国際医療研究センター 国際臨床研究センター 医療情報解析研究部)
- 高橋 祥一(広島大学病院 消化器・代謝内科)
- 酒井 明人(金沢大学医学部附属病院 光学医療診療部)
- 井上 泰輔(山梨大学大学院医学工学総合研究部第1内科)
- 今村 雅俊(国立国際医療研究センター 国府台病院消化器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国の肝炎ウイルスキャリアはB型110-140万人、C型190-230万人と推定されているが、全国規模データベースと言えるものは全国原発性肝癌追跡調査(日本肝癌研究会)が挙げられるくらいであり、人的・財政的問題から継続的維持は困難であった。本研究では、都道府県肝疾患診療ネットワークの将来的活用を視野に入れ、かつ、平成20年度から全国展開されているB型・C型肝疾患のインターフェロン(IFN)治療に対する医療費助成事業をより効率的ならしめるために、わが国でIFN治療を受けているB型・C型肝疾患患者の年齢、性別、肝病変進行度、ウイルス型、ウイルス量、副作用の出現状況、および最終的治療効果等に関する臨床情報の収集を自治体肝炎対策部署との共同研究として開始した。
研究方法
IFN医療費助成を受け、効果判定がすでに可能なB型・C型肝疾患患者を対象とした後ろ向き研究である。40道府県、および間接的参加の東京都を含めて41自治体の協力を得ている。肝炎情報センターでは専用のサーバを設置し、スキャン画像からチェックボックスの内容を自動的に読み取り、電子化しエクセルファイルへ変換するシステム構築を平成22年2月に完了し、解析データを2ヶ月毎に各自治体へフィードバックしている。
結果と考察
平成22年12月までに27府県から総計4,968例(B型79例、C型4,822例、B+C型8例)の報告書が送付された。解析可能なC型肝炎症例4,107例での検討では、男性:女性:不明=2,061例(50.2%):2,043例:3例、IFN治療歴は初回治療:再治療:不明=2,852例(69.4%):1,153例:102例。年齢分布は60歳代がピークであった。Ⅰ型高ウイルス量50.9%、Ⅱ型高ウイルス量24.0%を占め、IFN投与完遂81.6%、投与中止17.4%、不明1.0%で、投与完遂率は高齢者で低下した。Ⅰ型高ウイルス量、Ⅱ型高ウイルス量に対するリバビリン併用療法(完遂例)の著効率は、初回治療例59.6%、83.6%、再治療例50.7%、70.7%と満足すべき成績であった。治療開始時年齢56.6-64.5歳(中央値)、再治療例の比率、ウイルス型の分布には地域差が存在した。尚、投与完遂率、著効率には地域差はなかった。
結論
全国のIFN治療水準はほぼ均てん化されているが、IFN治療の受療状況には地域差のあることが判明した。IFN治療を効率的に推進するためには、地域毎の特性を考慮した肝炎対策の立案と運用が必要である。
公開日・更新日
公開日
2011-06-02
更新日
-