HIV感染症の疫学的研究:メタ分析とコホート研究

文献情報

文献番号
201029019A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症の疫学的研究:メタ分析とコホート研究
課題番号
H21-エイズ・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渋谷 健司(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 野内 英樹(結核予防会複十字病院)
  • 森 臨太郎(東京大学 大学院医学系研究科 )
  • 本田 美和子(国立国際医療研究センター)
  • 堀 成美(聖路加看護大学)
  • 小柳 愛(東京大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第一に、国内外のエイズ予防に関する各種保健介入に対する系統的かつ詳細なメタ分析を通じ、最新のエイズ予防に関するエビデンスを提供する。第二に、コホートに基づく実証研究を行うための研究フィールドと保健情報システムの整備を行い、エイズ予防介入による検査並びに治療への促進・阻害要因を継続的に分析し、早期検査並びに継続的治療を進展させる。この研究により、国内外において政策に直結するエビデンスを計測的に提供し、わが国のこの分野におけるプレゼンスと知的貢献の強化を行うことができる。
研究方法
東京大学医学系研究科国際保健政策学教室に研究事務局を置いた。研究代表者(渋谷)は研究統括を行った。エイズ予防保健介入のメタ分析は、森(東大)が行った。コホート研究等の縦断研究のためのタイ国のフィールドの整備と保健情報システムの構築には野内(複十字病院)、渋谷(東大)、情報分析は、小柳(東大)が行った。エイズ感染症の専門家である医長の本田(国立国際医療センター)は、最新の臨床知見をもとに研究戦略を策定した。エイズ感染症の専門家である堀(聖路加看護大)は、プロジェクトの教育的立場で人材育成を行った。
結果と考察
系統的レビューに関しては、MSMのHIV調査の方法とHIV陽性に関連する因子を明らかにするために、網羅的検索を行い、合計MSMのHIV調査を検討した論文2269ヒット中、重複を除き、現在まで調査されている該当する188件の研究についてさらに詳細な検討を行った。最終的にMSMのHIVのprevalence調査方法に関する69文献、109,833 名のMSMを対象にした調査から、世帯調査に準ずるVenue Day Time sampling法が推奨されることが明らかになり、現在投稿中である。また、HIVコクランレビューのプロトコールを2本出版し、現在フルレビューを投稿中である。コホート研究に関しては、北タイのフィールドサイトで幾つかの研究テーマを同定し、研究を開始している。抗HIV薬の普及後の第一選択薬からの変更と、その関与因子、理由、免疫学的ウイルス学的治療結果について解析した。また、HIV感染予防効果なども解析し、論文投稿を進めている。
結論
研究は計画通り順調に進捗しており、成果も現れている。研究が順調に進むことで、国内外におけるエイズ予防のための保健介入の効果のエビデンスの構築、継続的なエビデンスの提供とモニタリングと評価の重要性をエイズ予防領域において推進することができると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201029019Z