障害認定の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201027123A
報告書区分
総括
研究課題名
障害認定の在り方に関する研究
課題番号
H22-身体・知的・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局)
研究分担者(所属機関)
  • 岩谷力(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 寺島彰(浦和大学こども学部)
  • 伊藤利之(横浜市総合リハビリテーションセンター)
  • 和泉徹(北里大学医学部)
  • 飛松好子(国立障害者リハビリテーションセンター病院)
  • 依田泰(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在の身体障害者福祉法における障害等級を当事者の利用資格認定に用いることの妥当性を検証し、医学に基盤を置く障害認定の意義、必要性、あり方をエビデンスに基づき提言すること。
研究方法
国立障害者リハビリテーションセンター等を利用する障害者を対象として質問紙法による調査を実施するとともに、平成18年度の「身体障害児・者実態調査」のデータを活用して分析を行った。また、内外の文献調査並びに国際会議(第10回ワシントン・グループ会議)に出席し収集した情報に基づき、制度の在り方に関して考察を行った。
結果と考察
障害認定とそれを利用する福祉サービスに関する各種制度の関係性等について考察を行い、障害の重層性、公平性を担保するための論理や課題、プラットホーム的な位置づけなど、今後の制度の在り方を考えていく上での基本的な視座に関して検討を深めた。また、検討に必要なエビデンスの集積を図るため、障害者手帳の利用状況等に関する調査を実施し、計173名のデータを得た。さらに「身体障害児・者実態調査」のデータを分析し、肢体不自由における日常生活動作の状況、外出の状況、就労等の状況、福祉サービスの利用状況と障害等級の関係性を明らかにした。国際的な動向については、ワシントン・グループにおける検討作業や英国の生活機会調査等について考察を行い、有用な知見を得たところであり、例えば、英国の調査で試みているような障害による生活上の機会の差を等級と結びつけて考えていくことも有益なアプローチと考えられる。
結論
障害認定の在り方に関する検討に当たっては、障害者手帳の利用状況等に関する調査をさらに進めていくとともに、国・地方を通じた行政データの収集・分析を進めていくことによって、さらにエビデンスを集積していく必要がある。これによって、インペアメントと日常生活活動制限や社会参加制約、福祉サービスに係るニーズとの関係性、福祉サービスの効果等に関して実証、検証を進め、医学を基盤とする障害認定制度とそれを利用する各種制度を含む福祉制度を通じた論理やそれに即応した基準を明らかにしていく必要がある。その上で、今回得られた視座も活かし、医学を基盤とする障害認定については、各制度の共通の基盤となるプラットホーム的な位置づけも含め、その役割や制度的な位置づけを考えていく必要がある。さらに、ワシントングループにおける障害統計に関するツールの開発など国際的な動向にも十分に留意して研究を進めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027123Z