障害児をもつ家族に対するニーズアセスメント指標の開発と小児病院と地域が連携した包括的な支援方策に関する研究

文献情報

文献番号
201027025A
報告書区分
総括
研究課題名
障害児をもつ家族に対するニーズアセスメント指標の開発と小児病院と地域が連携した包括的な支援方策に関する研究
課題番号
H22-身体・知的・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
植田 紀美子(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 企画調査部企画調査室)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 伸彦(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 遺伝診療科)
  • 河津 由紀子(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 小児循環器科)
  • 佐藤 拓代(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 企画調査部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害児家族ニーズの種類別アセスメント指標(日本版Family Needs Survey(FNS-J))を開発し、あわせて小児病院と地域が連携して取り組む包括的な障害児家族への支援方策をまとめ、施策への応用を提言すること。
研究方法
H22年度は、
1.FNS-Jの信頼性、妥当性を検証するための障害児の父母に対する調査、また、内容的妥当性を検証するための障害児・家族支援に関わる専門家に対する調査を実施する。
2.医療機関における障害が判明した時の障害児家族支援、及び地域生活支援の実態・課題の把握のため、無記名自記式調査票よる調査を実施する。
3.特に心臓に障害を持つ子どもに着目し、胎児診断された子どもと持つ母の心理的ケアの現状と心理的状態を聞きとりと無記名自記式調査票により把握する。
4.障害児と虐待の関連、障害児への虐待予防支援方策を検討するため、過去の虐待関連調査等の二次解析、及び保健所母子保健活動の事例検討を行う。
結果と考察
1.FNSの開発者の許可のもとFNS-Jを作成し、大阪府近郊の調査対象施設を利用する障害児(0歳から15歳、疾病や障害の種類や程度を限定しない)の父・母等6,376人に対して調査を実施し、1,448人から回答を得た。正確な子どもの疾病や障害の情報についても、診療録から連結可能匿名化して得た。FNS-Jの内容的妥当性評価調査では、130名の専門家から回答を得た。
2.日本小児科学会が認定する専門医研修施設518施設に対して調査を実施し回収率は53.5%であった。
3.胎児心臓診断を多く行っている主要6施設では、胎児診断後に母への心理的ケアを行っていた。胎児診断を受けた母に対する胎児診断後のニーズや心理的状況に関する調査は、約300名に実施した。
4.虐待児の背景に“障害児であること”が約2割をしめ、障害児への支援に虐待予防の視点の重要性が示唆された。事例検討により、子どもに障害等の育児困難ある場合、親の生育歴等の背景をアセスメントする必要性が示唆された。
結論
最終年度には、1.相談現場におけるFNS-Jの試行による実用性・機能性・妥当性の評価をし、ニーズアセスメント指標(FNS-J)を確定し、支援につなげる具体的な手順を示す活用マニュアルとともに普及する。2.3.長期ケアの観点から地域生活支援における医療機関の役割も提示し、医療機関による障害児家族の心理的ケア提供体制に関する提案を行う。4.事例検討数を増やし、母子保健活動における障害児家族への子育て支援方策を提示する。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027025Z