座位保持装置の安全で適切な流通の促進に関する研究

文献情報

文献番号
201027011A
報告書区分
総括
研究課題名
座位保持装置の安全で適切な流通の促進に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 秀行(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 相川 孝訓(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部)
  • 長谷川典彦(岐阜大学施設環境部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的:個別対応(オーダーメイド)の座位保持装置を供給する事業者に対して、安全で安心な機器を供給するために設計・製作時に必要なガイドラインを開発する。
必要性:障害者が使用する座位保持装置は障害者に特有な荷重や使用状況となることが前年度の研究でわかっている。しかし、障害や使用のしかた、環境条件が多様であるため、個別に適合させてしまう場合が多い。そのため、安全性への配慮が抜けてしまう場合が多々ある。また、適合性や安全性などを判断する福祉事務所や医師などに、個別対応か安全性かなど、何を重要な項目として適合させるかの選択が求められている。
研究方法
1.初年度で収集された破損部品(特に足踏みブレーキ)の原因追究(現地調査)および破断面解析とその試験および対応手法の確立。2.各種背フレームの各種条件による強度解析。背折れやリクライニング機構構造がある場合に、静的試験、背後方荷重繰り返し試験、そしてベルトが装着された場合での前後荷重繰り返し試験の実施とその理論解析、そしてその設計指針の作成。3.部品破損経験を持つ障害者の足部の強度のための基礎測定のための測定機器開発と測定。
結果と考察
1.車いす背支持部に対してISO やJIS 規格に合わせた試験を実施し、後方負荷はある程度の強度を維持していた。ところが前方負荷は強度が低下していることがわかった。2.頭部支持ではそこへの負荷を測定したところ、日常生活で身体が伸び上がる場合、弾性限度を越えた負荷となる。これらから、中間ユーザの対応および強度の向上が必要であることが示唆された。3.足部支持は試験的結果で体重が繰り返してかかる状態であることがわかった。4.ブレーキはコンピュータ解析により斜め方向の荷重がより負荷となることがわかった。5.国際福祉機器展ではガイドライン作成の前段階となるワークショップを開催した。来年度も講習会を実施する予定である。6.厚生労働省座位保持装置完成用部品基準案を作成することができた。
結論
 1.製作手法では材料力学の基礎的知識、特に強度、応力集中や金属疲労等の知識の必要性があること。2.JISやISO規格が座位保持装置等を使用時の強度の妥当性が十分ではなく、特に背支持等は試験方法が必要であること。3.機器供給時に基本はJISやISO、また厚生労働省座位保持装置完成用部品基準を使用の推奨や正しい使い方等についての啓蒙の必要性。 などが2年間の研究でわかった。最終年度はこれらの追試を行なうと同時に製作に関わる方々への必要な機械工学知識のガイドラインやISOを初めとする規格化への試験方法の開発を行なう。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027011Z