本邦における反復胞状奇胎症例の実態把握と確定診断法の開発

文献情報

文献番号
201024214A
報告書区分
総括
研究課題名
本邦における反復胞状奇胎症例の実態把握と確定診断法の開発
課題番号
H22-難治・一般-159
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
秦 健一郎(国立成育医療研究センター研究所 周産期病態研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 井箟一彦(和歌山県立医科大学 産婦人科)
  • 生水真紀夫(千葉大学大学院医学研究院 生殖機能病態学)
  • 杉浦真弓(名古屋市立大学大学院 医学研究科 産科婦人科)
  • 齋藤滋(富山大学大学院 医学薬学研究部 産科婦人科学)
  • 和氣徳夫(九州大学大学院 生殖病態生理学)
  • 諸隈誠一(九州大学病院 産科婦人科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)全国規模で反復胞状奇胎症例を照会し、2)候補症例検体および臨床情報を収集する。また、3)母NALP7遺伝子の変異解析を行い、併せて、4)反復胞状奇胎の発症起源を分子遺伝学的に確定する。これら1)から4)の解析結果を統合し、本邦の反復胞状奇胎症例に最適な確定診断法の開発と、臨床的特徴を抽出する事を目的とする。
研究方法
本年度は、初年度に引き続き、反復胞状奇胎症例の収集を行った。正常(人工流産)絨毛と、異常妊娠症例のNALP7遺伝子配列解析を行い、日本人集団で高頻度に認められるNALP7遺伝子多型を同定した。また、絨毛組織の網羅的なDNAメチル化解析を行った。
結果と考察
合計17例の疑い症例ゲノムDNAを用い、NALP7遺伝子変異の解析を行った。正常例も含めて、7箇所の未知の多型が見つかった。これらは、日本人集団で比較的頻度の高い多型と考えられる。絨毛組織のDNAメチル化異常は、これまでのところ見出されていない。
結論
本邦における反復胞状奇胎の実態を把握し、分子遺伝学的解析を駆使した確定診断法を確立することを目的とし、研究体制を確立した。
全国規模の疑い症例の紹介を行うと共に、分担研究者と共同研究者の医療機関あるいは関連医療機関の症例を後ろ向きに検索し、疑い症例を見出した。今後これらの症例の詳細な解析を予定している。
すでに、日本人で比較的頻度の高いと推測されるNALP7遺伝子多型を7箇所見出しており、本邦症例のNALP7遺伝子診断法の確立に必須のリファレンスデータを得る事ができた。今後は更に候補症例と対照症例の解析数を増やし、疾患との統計的な関連性の検討を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024214Z