日本におけるリンパ管腫患者(特に重症患者の長期経過)の実態調査及び治療指針の作成

文献情報

文献番号
201024205A
報告書区分
総括
研究課題名
日本におけるリンパ管腫患者(特に重症患者の長期経過)の実態調査及び治療指針の作成
課題番号
H22-難治・一般-150
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
藤野 明浩(独立行政法人 国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部 外科)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 康英(慶應義塾大学医学部 講師)
  • 上野 滋(東海大学医学部 小児外科 教授)
  • 岩中 督(東京大学大学院医学系研究科 小児外科 教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 当研究の目的は、全国のリンパ管腫患者、特に現在有効な治療法が確立されていない重症・難治性患者の治療経過・予後・QOL等の実態把握と最適な治療指針の作成であり、全国の小児外科施設におけるリンパ管腫患者の実態調査を行う。
 またリンパ管腫に関する詳しい情報を「患者・一般」や「医療従事者」に広く提供し、研究の中心となるWebサイトを設立し、発展させることである。
 将来的には当疫学調査研究結果は基礎研究結果と統合され、リンパ管腫に対する治療の改善・患者QOLの改善に大きく貢献することが期待される。
研究方法
 全国調査に先駆けて平成21年度には予備調査を行い、問題点を絞り効率よく全国調査を行うための資料を集めた。調査は特定の小児外科各施設へ依頼し、各施設にて診療録調査を行い連結可能匿名化の上登録した。調査項目は疾患発生部位、行われた治療、結果などの一般的項目から、特に重症例については、詳細に項目を設けた。全国調査の必要項目を選定する作業、また重症・難治性の診断基準原案の作成が行われている。
 一方、情報のハブとなるリンパ管腫の総合ホームページを開設した。調査研究のWeb登録等の情報収集及び一般・医療者向けの情報公開の場として発展させる。
結果と考察
 平成21年度は全国の13の小児外科施設に協力を得て、リンパ管腫と診断された過去20年間の受診患者について診療録に基づいて調査を行い、連結可能匿名化して収集した。平成22年2月末までに担当医により合計620症例が登録され、124例(20.6%)が難治性と判断された。平成22年度には結果が詳細に検討され、現在総括作業が行われている。予備調査結果に基づき、研究班にて「重症・難治性」の診断基準を設定するための全国Web調査の準備が進められている。
 一方、リンパ管腫に関する情報を公開する「リンパ管腫情報ステーション」(http://www.lymphangioma.net)を平成22年3月より公開している。
結論
 当研究は、予備調査の結果の総括が進行中であり、「重症・難治性リンパ管腫診断基準」を設定するための全国調査が開始され、平成23年度中に総括される。
「リンパ管腫情報ステーション」は、当全国調査や別の新たなプロジェクトの入り口となる「研究」部門と「医療者」用サイトを追加する。患者コミュニケーションサイトとしても利用できるよう信頼性の高いサイトを目指して拡充する。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024205Z