食品添加物の試験法の向上及び摂取量に基づく安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
202528014A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物の試験法の向上及び摂取量に基づく安全性確保に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25ZA1004
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 久保田 浩樹(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
  • 建部 千絵(佐々木 千絵)(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 高田 翔平(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 西崎 雄三(東洋大学 食環境科学部)
  • 大槻 崇(日本大学 生物資源科学部)
研究区分
食品衛生基準科学研究費補助金 分野なし 食品安全科学研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
8,010,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品添加物の安全性確保には、適正な使用が重要であるため、1)生産量調査を基にした食品添加物摂取量の推定に関わる研究、2)香料(香料化合物及び天然香料物質)使用量に関わる調査研究、3)香料化合物のSingle Portion Exposure Technique(SPET)法による摂取量調査研究、4)マーケットバスケット(MB)方式による香料の摂取量調査の検討を行った。また、食品添加物公定書(公定書)の規格試験法(一般試験法及び各条規格試験法)の向上のため、5)代替検出法を適用した新規試験法の開発に関する研究、6)誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法(ICP-OES)等のICP法の適用による規格試験法の改良に関する研究、6)核磁気共鳴スペクトル測定法(NMR法)を用いる定量NMR法(1H-qNMR)を応用した規格試験法の改良に関する研究並びに7)NMRスピン情報を活用した規格試験の開発に関する研究を行った。
研究方法
1)第14回指定添加物生産量調査(令和4年度対象)、既存添加物生産量第9回調査(令和5年度対象)の取りまとめを行った。2)次年度実施予定の香料使用量調査に向け、新たな調査票の作成を行った。3)SPET法による摂取量調査研究では、欧米でも使用され国内使用量も多い香料化合物を対象に調査を実施した。4)全国6地区で調製した食品群1~3群のMB試料中のエステル系香料を分析し、摂取量を求めた。5)公定書で特殊な検出器を使用する試験を調べ、海外規格試験法と比較した。6)公定書のバリウム試験法へのICP法適用に向けた予備検討を行った。7)ネオテーム及び不純物の試薬規格試験への、定量NMR法導入可能性を検討した。8)公定書の定量用標準品8種について、NMRスピン情報活用規格試験を検討した。
結果と考察
1)指定添加物生産量調査結果より、品目ごとの一人一日摂取量を推定し、既存添加物生産量調査結果より、流通量を推定してまとめた。2)国内で多用される天然香料等、新たな調査票への追加等を行った。3)欧米でも使用され国内使用量も多い香料化合物のSPET法による摂取量調査を実施し、他の推定法での値と比較した。4)食品群1~3群でのエステル系香料含量が判明し、摂取量推定値が得られた。5)公定書で特殊な検出器を用いている試験法について、海外規格試験法での代替の可能性が認められた。6)バリウム試験法へのICP法適用予備検討で、共存金属元素の影響の程度を把握できた。7)定量NMR法がネオテーム及びその不純物の試薬規格への適用に有用であることが判明した。8)600 MHzのNMRスピン情報から参照NMRスペクトルをシミュレーションした結果、、400 MHzおよび60 MHzの実測スペクトルと、化学シフト、多重度及び信号強度比は良好に一致した。
結論
生産量調査を基にした食品添加物摂取量の推定に関わる研究、香料(香料化合物及び天然香料物質)使用量に関わる調査研究、香料化合物のSPET法による摂取量推定研究、MB方式による香料の摂取量調査の検討により、食品添加物の適正な使用に関わる知見が得られ、これらの結果は食品の安全の確保に資すると考えられる。食品添加物公定書の規格試験法(一般試験法及び各条規格試験法)の向上に向けた研究のうち、代替検出法適用試験法開発に関する研究では、公定書で特殊な検出器を用いている試験法について海外規格試験法等を調べ、代替法の可能性を検討した。ICP法適用による試験法改良研究では、公定書のバリウム試験へのICP法適用に向け、共存金属元素の影響の予備検討を実施した。定量NMR応用試験法改良研究では、ネオテーム及びその不純物の試薬の定量法として定量NMR法が有用であることが示された。NMRスピン情報活用規格試験開発に関する研究では、公定書収載定量用標準品8種のNMRスペクトルから得た1Hスピン情報に基づきシミュレーションした参照NMRスペクトルが、確認試験として利用可能であることを示した。以上、食品添加物の生産量や香料の使用量調査、各種摂取量推定法の検討、規格試験法向上を目的とする新たな試験法導入のための研究により、食品添加物の安全性確保のための基礎資料となる有益な結果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2026-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-08-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
202528014Z