コステロ症候群・CFC症候群類縁疾患の診断基準作成と治療法開発に関する研究

文献情報

文献番号
201024177A
報告書区分
総括
研究課題名
コステロ症候群・CFC症候群類縁疾患の診断基準作成と治療法開発に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-122
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
松原 洋一(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 洋子(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 緒方 勤(国立成育医療センター 研究所)
  • 黒澤 健司(神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
  • 岡本 伸彦(大阪府立母子保健総合医療センター 遺伝診療科)
  • 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー)
  • 大橋 博文(埼玉県立小児医療センター 遺伝科)
  • 川目 裕(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)
  • 呉 繁夫(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 栗山 進一(東北大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
コステロ症候群およびCFC(cardio-facio- cutaneous)症候群は、発達障害を示す先天奇形症候群である。本研究班では、両症候群の診断基準の作成、患者数の把握、臨床症状及び合併症の把握、遺伝子型/表現型相関解析、さらに分子標的治療法開発の検討を目的とする。
研究方法
本年度は、コステロ症候群・CFC症候群シンポジウムの企画・開催、全国2次調査の実施、遺伝子解析と新規遺伝子の探索、疾患モデルマウスの作製を行った。本研究における遺伝子解析研究および疫学研究はそれぞれの倫理指針に沿って実施した。
結果と考察
1)コステロ症候群・CFC症候群シンポジウムの開催
コステロ症候群およびCFC症候群の患者・家族と臨床医・研究者を交えたシンポジウムをわが国で初めて開催し、情報提供と意見交換を行った。全国から27家族83人の参加を得て活発な交流が行われた。
2)全国2次調査とその解析
昨年度の全国調査の一次調査に引き続いて2次調査を行い、両疾患の日本における罹患数の算出を行い、その病態について解析を行った。その結果、現時点での日本におけるコステロ症候群・CFC症候群の患者数は、それぞれ123人(95%信頼区間, 50-202)、177人(95%信頼区間, 58-295)で、有病率はそれぞれ1.0、1.4(人口100万人対)と推定された。調査対象患者における臨床所見と合併症についても解析を行った。コステロ症候群ではMDCTを用いての患児の歯科口腔所見の評価や,摂食障害の状況を検討した。CFC症候群では、BRAF遺伝子変異例の自然歴を検討した。
今後、より長期の医療管理に基づいた自然歴研究が必要と考えられる。
3)遺伝子解析と新規遺伝子の探索
全国調査時に遺伝子診断の希望のあった42 例について遺伝子解析を行い、既知の遺伝子の変異を25例に同定した。遺伝子変異が同定されていない患者についてはエクソーム解析を実施し、現在データを解析中である。
4)疾患モデルマウスの作製
 コステロ症候群およびCFC症候群それぞれの、疾患モデルマウスの作製に成功した。現在、表現型の解析を実施中である。
結論
コステロ症候群・CFC症候群シンポジウムを開催するとともに、全国2次調査にもとづく患者数の推定、臨床症状と合併症を詳細に検討した。また、遺伝子解析と治療法開発に向けたモデル動物の作製を行った。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024177Z