ジストニア脳アトラスによる淡蒼球内節機能異常の検索と新規ターゲッティング法の確立

文献情報

文献番号
201024171A
報告書区分
総括
研究課題名
ジストニア脳アトラスによる淡蒼球内節機能異常の検索と新規ターゲッティング法の確立
課題番号
H22-難治・一般-116
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮城 靖(九州大学大学院 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 孝一(熊本大学大学院 生命科学研究部 形態構築学分野)
  • 平 孝臣(東京女子医科大学 脳神経外科)
  • 山田 和慶(熊本大学医学部付属病院 機脳神経外科先端医療寄附講座)
  • 深谷 親(日本大学医学部 脳神経外科)
  • 横地 房子(東京都立神経病院 脳神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,464,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、我々が開発中の日本人専用定位脳手術アトラスを用いて、全身性または分節性ジストニア患者の大脳基底核、特に淡蒼球内節の高精度医用画像と定位脳手術で得られた電気生理学データを解析し、手術成績を左右する脳内構造の個人差・疾患特異性を明らかにして、手術に有効な標的座標決定(新規ターゲッティング法)を確立する。
研究方法
国内の多施設の協力を得て、淡蒼球内節手術(凝固および刺激術)を経験した日本人ジストニア患者の手術用3D-MRI脳画像データ、刺激部位、術中電気生理学データと術後成績を収集する。正常ヒト大脳組織標本から淡蒼球内節の機能分画を明らかにするとともに、ジストニア患者脳MRI画像をもとにジストニア三次元脳モデルを作成し、標準アトラス上に投影し、脳内刺激部位とその手術成績、微小電極記録法で得られた淡蒼球内節の発火パターンのデータベースを構築する.さらに個々の施設におけるジストニア手術の治療経験をもとに、より有効な刺激部位を算出し、安全かつ確実な淡蒼球内節ターゲッティング法を追求する。
結果と考察
初年度は淡蒼球内節手術を経験した日本人ジストニア患者の手術用3D-MRI脳画像データ、刺激部位と術後成績を13例収集した。さらに対照として脳疾患のない日本人成人健常者データを19例収集した。それぞれについて神経再構築ソフトウェアを用い、脳表、脳室、線条体(尾状核・被殼)、白質、脳梁など、高解像度MRIで同定可能な構造を用手的に抽出している。全身性?分節性ジストニアに唯一有効な治療は淡蒼球内節刺激であるが、その手術成績は著効から無効までさまざまである。また有効例と無効例の淡蒼球内節内の刺激部位は大きく重複する分布を示しており、いまだ至適刺激部位は確定されていない。これは全身性ジストニアそのものが単一疾患単位ではなく、さらに第三脳室の拡大や非対称などで脳形状の個人差が大きいために、淡蒼球内節の標的座標の分布が収束しにくいためと考えられる。
結論
手術に至るジストニアの症例数が非常に少ないため、いまだ結論には至っていない。23年度はさらにジストニア手術データを収集し、標本数が整い次第、ジストニア特異的変形パラメータを算出するとともに至適治療部位を統計的に決め、新規ターゲティング法を算出する予定である。これが完成すれば、有効性の高いジストニア手術を確立することができる。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024171Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,303,000円
(2)補助金確定額
12,303,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
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