多発性内分泌腫瘍症1型および2型の診療実態調査と診断治療指針の作成

文献情報

文献番号
201024160A
報告書区分
総括
研究課題名
多発性内分泌腫瘍症1型および2型の診療実態調査と診断治療指針の作成
課題番号
H22-難治・一般-105
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 晃洋(信州大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 眞一(福島県立医科大学 医学部)
  • 内野 眞也(野口病院 外科)
  • 小杉 眞司(京都大学大学院医学研究科 健康管理学)
  • 岡本 高宏(東京女子医科大学 医学部)
  • 今井 常夫(名古屋大学 医学部)
  • 河本 泉(大阪府済生会野江病院 外科)
  • 花崎 和弘(高知大学 医学部)
  • 清水 一雄(日本医科大学 医学部)
  • 山田 正信(群馬大学 医学部)
  • 梶 博史(神戸大学 医学部)
  • 三浦 大周(虎の門病院 乳腺・内分泌外科)
  • 福嶋 義光(信州大学 医学部)
  • 今村 正之(関西電力病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多発性内分泌腫瘍症(MEN)は,正確な診断や家系・遺伝学的情報により早期の診断治療,医療成績の向上が期待できるが,わが国では本症の実態把握の取り組みがなかった.本研究は,1)国内のMEN診療に関する情報を収集・蓄積する,特に個々の患者を長期間継続的に追跡し,自然歴を把握できるようにする,2)得られた情報を検索可能な形に整理して医療者が利用できる情報基盤を構築する,3)わが国の実情に即した診療指針を策定する,を目的とする.また,遺伝性疾患としての本症患者が必要な支援を調査研究し,当事者のニーズに即した支援のあり方を提言していく.
研究方法
日本内分泌学会,日本甲状腺外科学会,日本内分泌外科学会の協力を得て会員に症例調査票を送付した.一次調査では患者診療経験の有無とその人数の報告を依頼した.報告は研究代表者が管理し,症例ありの報告があった場合には事務局で患者ごとに匿名符号を付与した上で症例の詳細を報告する二次調査票を報告人数分送付し,記載後の返送を依頼した.送付された臨床情報は研究班員が分担して解析にあたった.
結果と考察
患者情報を登録するための独自のフォーマットを作成,改良を加え,関連学会にも協力を呼びかけることにより,これまでに国内でMEN1,MEN2あわせて1000例を超える症例を把握した.またこの情報を解析することにより,これまで海外で報告されていたMENの臨床像とは異なる,日本人患者に特徴的な臨床像も明らかとなった.この知見を反映させるべく日本人患者の実際に即した診療指針の作成を開始した.
結論
MENの診療実態把握を目的とした患者情報登録システムの構築,患者情報入力フォーマットの改良,啓発目的のシンポジウムなど,いずれも順調に推進できた.また日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会からは本研究班の活動に関して全面的な後援を得ることができ,さらに日本内分泌学会でも研究代表者が提案した「多発性内分泌腫瘍症の診療実態調査と診療指針の作成」が臨床重要課題に採択され,学会の支援を受けての活動も順調に進行した.

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024160Z