文献情報
文献番号
202522009A
報告書区分
総括
研究課題名
特定機械等の安全衛生対策等に活用できる先進的なデジタル技術の現状把握及び活用への課題抽出
研究課題名(英字)
-
課題番号
24JA1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
山際 謙太(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 機械システム安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
2,967,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究ではデジタル技術を積極的に特定機械等に関連した安全分野へ活⽤していくために必要な資料の作成及び課題の整理を⽬的とする。デジタル技術はともすれば便利さが優先
され、導⼊に伴いリスク等が正しく評価されないことが想定される。そのために本研究で作成する資料等はリスク等の評価のために活⽤することができ、その点において安全分野において資する研究である。
この⽬的を達成するために、次に挙げる3つの⽬標を設定する。
第⼀は、社会全体で活⽤されているデジタル技術の全体像の把握である。これにより現在のところ安全衛⽣分野に活⽤されている技術と活⽤されていない技術を俯瞰的に把握することができる。次に、これらの技術を安全衛⽣分野に活⽤していくためには、例えば通信速度の安定性、障害時のふるまいなどシステムの信頼性などを検討する必要がある。その結果、デジタル技術を安全衛⽣のために導⼊するにあたっての課題及び基準の整理をしていくことを第⼆の⽬的とする。そして第三の⽬的として、これらの技術を社会実装するためには法律上の整合性も必要になってくることから、デジタル技術の導⼊にあたって法令改正に必要な基礎資料の作成を試みる。
され、導⼊に伴いリスク等が正しく評価されないことが想定される。そのために本研究で作成する資料等はリスク等の評価のために活⽤することができ、その点において安全分野において資する研究である。
この⽬的を達成するために、次に挙げる3つの⽬標を設定する。
第⼀は、社会全体で活⽤されているデジタル技術の全体像の把握である。これにより現在のところ安全衛⽣分野に活⽤されている技術と活⽤されていない技術を俯瞰的に把握することができる。次に、これらの技術を安全衛⽣分野に活⽤していくためには、例えば通信速度の安定性、障害時のふるまいなどシステムの信頼性などを検討する必要がある。その結果、デジタル技術を安全衛⽣のために導⼊するにあたっての課題及び基準の整理をしていくことを第⼆の⽬的とする。そして第三の⽬的として、これらの技術を社会実装するためには法律上の整合性も必要になってくることから、デジタル技術の導⼊にあたって法令改正に必要な基礎資料の作成を試みる。
研究方法
研究は,第一に既存調査結果及び本年度の検討結果を再整理し,対象設備と活用場面の二軸からデジタル技術を俯瞰する技術マップを構築した。第二に,韓国の KOSHA 及びOSHRI を訪問し,スマート安全装備の導入状況,関係省庁の施策,支援制度,認証・標準化に関する考え方及び制度運用上の課題についてヒアリングを行った。第三に,ワイヤロープ及び繊維ロープの U 曲げ疲労試験中に取得した画像を用い,機
械学習による損傷進行度推定の基礎的検討を実施した。
械学習による損傷進行度推定の基礎的検討を実施した。
結果と考察
技術マップの整理により,ロードセル,角度計,GNSS,無線センサ,監視カメラ,ドローン,UT・3D計測,DCS,インターロック,VR 教材,電子日報,生成 AI を用いた安全確認支援等の技術について,対象設備,活用場面,期待される安全衛生効果,導入上の制約,安全上の論点及び関連法令・規格を俯瞰的に整理することができた。これにより,設備固有の技術と,事業場横断的に利用される支援技術とを区別して把握できるようになった。
韓国調査では,IoT,AI,ビッグデータ,クラウドコンピューティング,ロボティクス等を活用した安全管理の高度化が「スマート技術」及び「スマート安全」として位置付けられ,スマート安全装備の導入が政策的に進められていることを確認した。雇用労働部,中小ベンチャー企業部,国土交通部等が役割分担を行いながら,中小規模事業場への補助事業や建設分野を中心とした導入支援が進められていた。
ワイヤロープ画像を用いた機械学習の基礎的検討では,画像と機械学習を組み合わせることで,ワイヤロープの損傷進行に伴う相対的な画像特徴の変化を捉えられる可能性を示す一方,現段階では自動判定装置として単独で用いるのではなく,点検支援技術又は状態監視技術として位置付けるのが妥当であることを示している。画像を時系列的に保存し,推定値とともに蓄積することで,損傷進行の把握,点検対象の優先順位付け,記録の客観化,遠隔確認等に活用し得る。
韓国調査では,IoT,AI,ビッグデータ,クラウドコンピューティング,ロボティクス等を活用した安全管理の高度化が「スマート技術」及び「スマート安全」として位置付けられ,スマート安全装備の導入が政策的に進められていることを確認した。雇用労働部,中小ベンチャー企業部,国土交通部等が役割分担を行いながら,中小規模事業場への補助事業や建設分野を中心とした導入支援が進められていた。
ワイヤロープ画像を用いた機械学習の基礎的検討では,画像と機械学習を組み合わせることで,ワイヤロープの損傷進行に伴う相対的な画像特徴の変化を捉えられる可能性を示す一方,現段階では自動判定装置として単独で用いるのではなく,点検支援技術又は状態監視技術として位置付けるのが妥当であることを示している。画像を時系列的に保存し,推定値とともに蓄積することで,損傷進行の把握,点検対象の優先順位付け,記録の客観化,遠隔確認等に活用し得る。
結論
本研究では,特定機械等における安全管理へのデジタル技術活用促進に向けた課題抽出を目的として,技術マップの構築,韓国 KOSHA/OSHRI 訪問調査及び機械学習の基礎的検討を行った。その結果,デジタル技術は点検・検査,状態監視,作業安全,操作・制御,教育訓練及び記録・証跡の各場面において有用である一方,多くの場合,人の判断を代替するものではなく,既存の安全方策を補完する支援技術として位置付けることが適切であることを示した。
また,韓国調査からは,デジタル技術の導入促進には,個別技術の導入支援だけでなく,技術分類,性能確認,認証・標準化及び制度との整合が重要であることが明らかとなった。さらに,ワイヤロープ画像に対する機械学習の検討からは,画像計測と機械学習を用いた状態推定が安全管理に有用な基礎資料となり得ることが示された。
また,韓国調査からは,デジタル技術の導入促進には,個別技術の導入支援だけでなく,技術分類,性能確認,認証・標準化及び制度との整合が重要であることが明らかとなった。さらに,ワイヤロープ画像に対する機械学習の検討からは,画像計測と機械学習を用いた状態推定が安全管理に有用な基礎資料となり得ることが示された。
公開日・更新日
公開日
2026-10-23
更新日
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