重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療の実用化臨床試験

文献情報

文献番号
201024056A
報告書区分
総括
研究課題名
重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療の実用化臨床試験
課題番号
H21-難治・一般-220
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
江頭 健輔(九州大学大学院 医学研究院 循環器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 中野 覚(九州大学大学院 医学研究院 循環器内科学 )
  • 的場 哲哉(九州大学病院 循環器内科 )
  • 砂川 賢二(九州大学大学院 医学研究院 循環器内科学 )
  • 中西 洋一(九州大学大学院 医学研究院 呼吸器内科学)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科)
  • 桑原 良宇(興和株式会社 製品戦略部)
  • 辻本 広行(ホソカワミクロン株式会社 粉体工学研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
240,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症肺高血圧症はQOLの悪化をもたらす予後不良の特定疾患であり、予後と生活の質を改善する安全安心の低侵襲治療法の実用化が期待されている。
本研究の目的は、ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子(NK-104-NP)製剤を開発し、重症肺高血圧症の予後と生活の質を改善するための低侵襲かつ安全安心な吸入ナノ医療を創出し、実用化のための臨床試験を行うことである。
研究方法
重症肺高血圧症に対するNK-104-NP製剤の臨床応用に向け、①最適化の研究開発、②安全性試験、③吸入製剤の設計・開発、④探索的臨床試験、を推進する。
3年計画であり3年目に九州大学橋渡し拠点(高度先端医療センター)ならびに先端医療開発特区(スーパー特区)の枠組みを活用してFirst in man臨床試験を実施する。
結果と考察
1.ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子(NK-104-NP)の最適化の研究開発・薬効薬理試験
1)薬効発現に最適なNK-104-NPの作製
2)NK-104-NP気管内投与による薬効薬理試験
2.ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子(NK-104-NP)の安全性試験
① ラット及びイヌにおける静脈内投与毒性試験
② ラット及びサルにおける気管内投与毒性試験
③ ラット及びサルにおけるNK-104-NP吸入製剤の吸入投与毒性試験
3.吸入製剤の処方検討とデバイスの試作
① NK-104-NP吸入製剤の作製(平成21?22年度)
② ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子(NK-104-NP)吸入製剤製造技術の調査
③ NK-104-NPのGMP製造の検討
結論
1.NK-104-NPの最適化の研究開発・薬効薬理試験
1)NK-104-NPの最適化
2)NK-104-NPの薬効薬理試験
ラットモノクロタリン誘発重症肺高血圧症モデルならびにマウスLPS誘発急性肺傷害モデルにおいてピタバスタチン原体と比較して有効性が確認された。また、臨床試験における適切な用法用量を推定するために霊長類であるカニクイザルを用いて、続発性肺高血圧症を呈するブレオマイシン誘発肺線維症モデルを作製することに成功した。
2.NK-104-NPの安全性試験
ラット及びイヌにおける静脈内投与毒性試験ならびにラットにおける気管内投与毒性試験で無毒性量が得られた。今後は、NK-104-NPを吸入投与できる方法で安全性を検討する。
3.吸入製剤の処方検討とデバイスの試作
スプレードライ製法によるNK-104-NP吸入製剤を作製した。更に、最適な製剤の探索を行った。また、その製剤に適合するデバイスの探索を行う。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024056Z