灌流法により採取された骨髄細胞を用いた骨髄内骨髄移植療法:基礎から臨床へ

文献情報

文献番号
201023040A
報告書区分
総括
研究課題名
灌流法により採取された骨髄細胞を用いた骨髄内骨髄移植療法:基礎から臨床へ
課題番号
H22-免疫・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
池原 進(関西医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 赤塚 美樹(藤田保健衛生大学 医学部 血液内科)
  • 一戸 辰夫(京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科)
  • 小川 啓恭(兵庫医科大学 医学部 内科学血液内科)
  • 小島 勢二(名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学)
  • 品川 克至(岡山大学医学部・歯学部附属病院 血液・腫瘍内科)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野臨床免疫学)
  • 村田 誠(名古屋大学医学部附属病院 血液内科)
  • 森 眞一郎(関西医科大学附属枚方病院 血液腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新しいBMTの技術(灌流法+骨髄内骨髄移植法)では、アロのBMTの諸問題が解決されるだけでなく、ドナーや患者さんの負担が軽減される。本研究では、難病のモデル動物の結果に基づいて、いかなる難病が新技術により治療可能かを明らかにし、ヒトへ応用する。
研究方法
動物を用いた基礎実験と臨床応用に関する研究は同時進行で実施する。新移植方法の安全性と有効性はすでにサルで実証済であるので、この新手法を用いた移植方法の適用疾患の拡大に向けて動物実験を行う。
本年度からは臨床応用に重点を置き、国内の骨髄移植実施施設と共同でPhase I→Phase II Studyへと発展させる。
結果と考察
1)IBM-BMTとドナーリンパ球輸注(DLI)の併用療法は、悪性腫瘍の増殖を抑制するだけでなく、GvHDの発症も抑えることができることを我々は発見した。今回、静脈内へT細胞を注入する(IV-DLI)よりも、皮下注(SC-DLI)した方が、より優れていることを見出した。
2)我々はIBM-BMTに胸腺移植(TT)を併用することによって、強力な抗腫瘍効果が得られることを見出した。移植する胸腺は新生時期のものが、最も効果があることを明らかにした。
3)進行した担癌動物に胸腺移植をすると、延命効果が期待できることを明らかにした。
4)II型糖尿病モデルマウスを用いて、新しい骨髄移植(IBM-BMT)と胸腺移植を併用し、糖尿病が治療できることを発見した。
結論
新しい骨髄移植の方法が、ヒトへ応用されるようになれば、骨髄ドナーの負担が軽減される。すなわち、従来の吸引法では100か所以上から1リットル近くの液量を採取するため、自己血による輸血の準備が必要であるが、灌流法では、骨髄穿刺部位が8か所で済むため、輸血の必要もなく、麻酔から覚醒後には痛みも少なく、歩行可能である。それ故、骨髄バンクへの登録者が増加するし、たとえ、HLAが不一致でも、新しい移植方法では、GvHDも起らず、また、移植細胞の数が少なくても拒絶されず、前処置も軽減されるため、患者さんへの負担も少なくなる。
新技術を用いることにより、これまで不治の病であった、種々の難病が根治できれば、患者さんにとって、これ以上の福音はない。

公開日・更新日

公開日
2011-09-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-02-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201023040Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,000,000円
(2)補助金確定額
13,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-