アプリを併用した就労アセスメントの専門性向上のための研修の開発についての研究

文献情報

文献番号
202517005A
報告書区分
総括
研究課題名
アプリを併用した就労アセスメントの専門性向上のための研修の開発についての研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1009
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
丸谷 美紀(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 臼井 千恵(順天堂大学医学部精神医学教室)
  • 川口 孝泰(医療創生大学 国際看護学部)
  • 川尻 洋美(田所 洋美)(群馬パース大学)
  • 湯川 慶子(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、障害者の就労選択支援施行に向け、支援者のアセスメントスキルを平準化に資するための〈研修カリキュラムとシラバス〉、及び障害者本人の状態の波と支援環境を突合させたモニタリングツール(就労支援アプリ)を開発することである。令和5年度は、アセスメントに関する研修ニーズ、及び熟練者の就労アセスメントスキルを解明し、〈就労支援アプリ〉を基本設計した。令和6年度は、〈研修カリキュラムとシラバス〉案と〈視覚教材〉を作成し、〈就労支援アプリ〉試作品を用いて[就労アセスメント研修]を試行した。令和7年度は、〈研修カリキュラムとシラバス〉案、及び〈就労支援アプリ〉試作品の課題を修正し、完成することに取り組んだ。
研究方法
〈研修カリキュラムとシラバス〉の演習は、アセスメント演習をデモンストレーションの〈視覚教材〉視聴とロールプレイを組み合わせ、リフレクション演習はアセスメントの振り返りに絞る形で修正した。また、ファシリテーターの手引きを作成し統一した。〈就労アセスメントアプリ〉試作品は、難病患者、中でも自己免疫疾患患者に使用していただいた。
結果と考察
〈研修カリキュラムとシラバス〉は、研修前後の目標達成度とアセスメントスキルの自己評価、研修の理解度・満足度を、令和6年度の2種の演習の自己評価と比較したところ、全ての項目で令和7年度は令和6年度を上回った。〈就労アセスメントアプリ〉試作品は、難病患者の本来感はアプリ試用前から精神疾患患者よりも高かったが、試用後に改善が見られた。
結論
状態の波の大きい障害者に有用な〈研修カリキュラムとシラバス〉〈視覚教材〉〈就労支援アプリ〉を完成した。〈就労支援アプリ〉課題としては、働く目的を1週間単位で確認する必要性も考えられる。

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

文献情報

文献番号
202517005B
報告書区分
総合
研究課題名
アプリを併用した就労アセスメントの専門性向上のための研修の開発についての研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1009
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
丸谷 美紀(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 臼井 千恵(順天堂大学医学部精神医学教室)
  • 川口 孝泰(医療創生大学 国際看護学部)
  • 川尻 洋美(田所 洋美)(群馬パース大学 看護学部)
  • 湯川 慶子(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者の就労選択支援に向け、熟練者の就労アセスメントスキルを解明し、それらを反映した〈研修カリキュラムとシラバス〉と〈視覚教材〉を制作する。さらに、障害者本人の状態の波と支援環境を突合させて経過をモニタリングし、就労の阻害要因や促進要因を可視化するための〈就労支援アプリ〉を制作する。〈研修カリキュラムとシラバス〉〈視覚教材〉〈就労支援アプリ〉を統合した[就労アセスメント研修]を最終成果物として開発し、支援者のスキルの平準化、及び関係機関等との情報共有の改善を図る。
研究方法
ADDIEモデルを用いて研修開発を行い、アプリはアジャイル方式を参考として開発した。令和5年度は、熟練者のアセスメントスキル・研修ニーズ・〈就労支援アプリ〉の入力項目を、障害者本人と就労支援者への聞き取りと質問紙で調査し、聞き取り調査の結果は質的機能的に分析し、質問紙の結果は統計解析を行った。調査結果を踏まえて〈就労支援アプリ〉を基本設計した。令和6年度は、前年度の結果を基に〈研修カリキュラムとシラバス〉〈視覚教材〉を作成した。〈就労支援アプリ〉試作品を、主に精神障害者を対象に試用し、本来感の変化とアプリ動作の問題を調査した。〈研修カリキュラムとシラバス〉に基づき〈視覚教材〉〈就労支援アプリ〉を用いて研修を試行し、目標の達成度や前年度調査結果から整理したアセスメントスキルの修得度を評価した。令和7年度は演習の〈視覚教材〉を追加して研修を試行し、前年度同様に評価した。〈就労生活支援アプリ〉を難病患者中心に試用し前年度同様に調査した。
結果と考察
令和5年度は、熟練者の就労アセスメントスキルが、本来感を中核としてミクロ・メゾ・マクロレベルの構造となっていることを明らかにした。〈就労支援アプリ〉入力項目は、バイオ・サイコ・ソーシャルモデルに一致した。令和6年度は、研修の目標の達成度やアセスメントスキルを評価した結果、受講後に改善が見られた。〈就労支援アプリ〉は試用後に本来感が向上したが、アプリの項目配置等に改善を要した。令和7年度は、研修施行後の評価は全て前年度よりも高得点であった。〈就労支援アプリ〉は、試用後に難病患者の本来感も向上した。
結論
ADDIEモデルを用いて、研修ニーズアセスメント、〈研修カリキュラムとシラバス〉〈視覚教材〉を設計・開発し、それらの基づく研修を施行し、評価を行った。その結果、目標の達成度や前年度調査結果から整理したアセスメントスキルの修得は、研修後に向上した。アジャイル方式を参考として〈就労支援アプリ〉を開発し、精神障害者及び難病患者へ使用した結果、本来感が改善した。本研究で開発した〈研修カリキュラムとシラバス〉〈視覚教材〉〈就労支援アプリ〉を組み合わせた研修は、支援者のアセスメントスキルを高めることに有効であった。

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202517005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では、障害者の就労支援のアセスメントスキルを、障害者が自分らしく働くこと、即ち本来感を中核として、本人・家族というミクロ、支援者・就労先というメゾ、地域というマクロレベルであることを明らかにした。就労支援アプリは、バイオ・サイコ・ソーシャルモデルに一致した。これらは職業リハビリテーションの分野に新たな視点をもたらしたと考える。成果は国際学会や英雑誌で公表し、多数の言語ので公開を希望された。
臨床的観点からの成果
本人を中核としたアセスメントスキルを明らかにしたことにより、就労支援の実践現場において、アセスメントスキルを共有でき、支援者のスキルの平準化を図ることができる。さらに、就労支援アプリにより本人の状態の波を環境との相互作用の中で可視化でき、支援者や就労先と共有することにより、本人の状態に即した合理的配慮を整えることができる。これらにより、本人の尊厳ある就労生活の支援のみならず、誰もが自分らしく働くことができる社会構築に功を奏する。
ガイドライン等の開発
就労支援のための研修のカリキュラムとシラバス、講義資料、視覚教材、および研修の運営方法の資料を作成した。これらを用いた研修を実施することにより、自治体ブロックの圏域等で、標準化された研修を定期的に行うことができ、アセスメントスキルの維持向上に寄与する。
その他行政的観点からの成果
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」の改正法が成立し、「就労選択支援制度」が2025年10月より開始される(障害者総合支援法第5条第1項第15号)。同制度は就労アセスメントが中核的な役割を担い、本研究は支援者の専門性の向上に資する点で、制度の実効性を左右する重要な要素となる。
その他のインパクト
本研究は研修開発に向けて3回の研修を施行し、各界の評価に基づき段階的に発展してきた。各回の研修では、オンラインで全国の就労選択支援員が互いの所属組織や地域を分析し、共有し合った。また演習では互いにアセスメントスクールに関して意見交換を行った。研修参加により知識やスキルの向上のみならず、全国の就労選択支援員が繋がり、継続的に相互に高め合っていく契機となった。

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
20件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
18件
学会発表(国際学会等)
12件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
202517005Z