糖尿病予防のための戦略研究

文献情報

文献番号
201021070A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病予防のための戦略研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・指定-018
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人国際協力医学研究振興財団(財団法人国際協力医学研究振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 織田敏次(財団法人国際協力医学研究振興財団)
  • 野田光彦(財団法人国際協力医学研究振興財団)
  • 新保卓郎(国立国際医療研究センター)
  • 石塚直樹(国立国際医療研究センター)
  • 葛谷英嗣(国立病院機構京都医療センター)
  • 門脇孝(東京大学大学院糖尿病・代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
429,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
糖尿病予防のための戦略研究では3つの目標が設定された。
目標となるアウトカムは、課題1は糖尿病発症ハイリスク群から糖尿病への進展の半減、課題2は地域での糖尿病患者の治療中断の半減、課題3は糖尿病患者での合併症の進展の30%抑制である。糖尿病予防のための戦略研究は、どの課題についても当初の予定の5年間では終了せず、研究期間が延長となった。本研究は、糖尿病予防のための戦略研究を継承するものである。
研究方法
研究課題1-3に対応した3つの大規模臨床研究J-DOIT1-3を実施し、糖尿病の発症予防から重症化抑制まで広範な対策を検討する。
J-DOIT1は、空腹時血糖が100-125mg/dlを満たす20歳から65歳までの男女を対象としてクラスターに分割し、そのクラスターを支援群と自立群にランダムに割り付け、支援群に非対面型指導を中心とした予防支援を行った場合、糖尿病の発症を半減できることを検証する。
J-DOIT2は、地区医師会に所属するかかりつけ医に通院中の2型糖尿病患者を対象とし、医師会をクラスターに分割し、非対面型患者指導およびITを活用した診療支援を行なう群と通常診療を行なう群に割り付け、診療支援が受診中断を減少させる効果を検証する。
J-DOIT3は、高血圧または脂質代謝異常がある糖尿病患者約3,000名を対象とし、血糖、血圧、脂質に介入する複合的強化療法か従来治療かにランダムに割り付け、強力な治療を行った場合の合併症の進展抑制効果を検証する。
結果と考察
課題1では、最終的に2,904人が登録され、平成21年5月で全ての介入が終了した。平成23年度健診データまで追跡する予定である。
課題2では、パイロット研究の結果を踏まえて大規模研究の試験実施計画書が作成され、11医師会が参加し、2,236人が登録された。2009年10月より介入、追跡を開始し、2010年9月に追跡を終了した。解析計画書に基づいた解析はすでに終了し、現在論文作成中である。
課題3では、2542人が登録され、全国81の病院で研究が進行中である。両群とも血糖値、脂質値、血圧値が良好にコントロールされ、被験者への介入は順調に実施されている。平成24年度末まで追跡する予定である。
結論
課題2は追跡を終了した。今後は解析、論文作成が主となる予定である。
課題1と3は着実に進行しているが、当初予定のアウトカムを得るためには追跡を継続する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-09-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021070Z