文献情報
文献番号
202508019A
報告書区分
総括
研究課題名
温泉利用による健康増進効果及び標準的なプログラムの開発に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24FA1004
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 聡(社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 血液内科)
研究分担者(所属機関)
- 林 敬人(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科法医学分野)
- 堀内 孝彦(福岡市立病院機構 福岡市民病院)
- 北條 達也(同志社大学 スポーツ健康科学部)
- 前田 豊樹(社会法人 三愛会 介護老人保健施設 たばる)
- 松元 秀次(茨城県立医療大学 保健医療学部 医科学センター)
- 大村 浩一郎(神戸市立医療センター中央市民病院・膠原病・リウマチ内科)
- 柏戸 佑介(広島赤十字・原爆病院 リウマチ科)
- 益田 郁子(十条武田リハビリテーション病院 リウマチ科)
- 眞喜志 まり(慶應義塾大学 医学部)
- 得能 智武(福岡歯科大学 総合医学講座 内科学分野)
- 石本 立(北海道大学病院 リハビリテーション科)
- 宮良 広大(九州看護福祉大学 看護福祉学部リハビリテーション学科)
- 牧野 直樹(九州大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
6,150,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
温泉療法による健康増進効果について、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満、高尿酸血症)、フレイル、変形性膝関節症を包括的に評価し、最新のシステマティックレビューと前向き臨床研究・ビッグデータ解析を統合して「日本発のエビデンス」を体系化する。
研究方法
温泉療法による健康増進効果(生活習慣病予防、ロコモティブシンドローム等身体機能低下の改善等)に関する最新のエビデンスを整理する。利用者毎の健康状態や利用目的(健康増進、リハビリ等)等に合わせた、安全な入浴方法などに配慮した、標準的なプログラム(温泉療養、温泉利用プログラム等)を開発する。
結果と考察
1.システマティックレビュー
温泉療法による健康増進効果について、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満、高尿酸血症)、フレイル、変形性膝関節症を包括的に評価し、最新のシステマティックレビューと前向き臨床研究・ビッグデータ解析を統合して「日本発のエビデンス」を体系化する。
2. 前向き観察研究(温泉療養指示書)
「温泉療養指示書」電子化コホートでは、263例登録・211例で温泉前後のQOLセットが確保されており、SF 36を用いた解析前段階でも温泉療法後のQOL向上が明らかに確認されている。2026年3月末で登録終了、データ固定後に詳細解析・英文論文化を行い、5月30日の日本温泉気候物理医学会教育講演で結果還元・発表予定である。
3. ビッグデータ解析(脂質異常症)
DPC由来3,000万人匿名データから59万人抽出した脂質異常症リアルワールド解析を実施中であり、脂質異常症システマティックレビューで示された温泉療法の有効性を大規模診療情報データで検証する試みである。解析完了後、2026年5月30日の学会総会までに論文投稿と教育講演での結果公表を予定しており、生活習慣病管理における温泉療法の位置付けを量的に示す成果が期待される。本研究班は、生活習慣病・ロコモティブシンドロームに対する温泉療法の有効性を、システマティックレビュー、前向き観察研究、プロトコール化された介入研究計画の三層で体系的に検討してきた。 脂質異常症・糖尿病/肥満・高血圧・フレイル・変形性膝関節症・高尿酸血症の6領域に対するシステマティックレビューにより、温泉および関連する温熱負荷が血圧・脂質・血糖・身体機能・QOLなどに一定の有益な影響を与えうること、同時にエビデンスの質や対象集団にばらつきが存在することが明らかになった。一方、「温泉療養指示書」の電子化と前向き観察研究により、実臨床に近い高齢者集団で温泉療法前後のQOL指標(SF-36)の変化を追跡する基盤が整いつつあり、今後どのような背景・併存症を有する患者が温泉療法のベネフィットを享受しやすいかをベネフィットを享受しやすいかを確認できると考えられる。DPCの大規模診療情報データベース解析と組み合わせることで、薬物療法単独では管理不良な生活習慣病・ロコモ関連患者を客観的に抽出し、温泉療法の潜在的適応患者像を定量的に規定しうる点は、本研究班の大きな強みである。
今後は、別府市の温泉利用型健康増進施設をフィールドとした。DCT(Decentralized Clinical Trial)型介入研究や、AIによるPRO・バイオマーカー・歩行能力等の多次元データ解析を通じて、標準温泉療法プログラムの精緻化とパーソナライズド化を進める必要がある。
温泉療法による健康増進効果について、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満、高尿酸血症)、フレイル、変形性膝関節症を包括的に評価し、最新のシステマティックレビューと前向き臨床研究・ビッグデータ解析を統合して「日本発のエビデンス」を体系化する。
2. 前向き観察研究(温泉療養指示書)
「温泉療養指示書」電子化コホートでは、263例登録・211例で温泉前後のQOLセットが確保されており、SF 36を用いた解析前段階でも温泉療法後のQOL向上が明らかに確認されている。2026年3月末で登録終了、データ固定後に詳細解析・英文論文化を行い、5月30日の日本温泉気候物理医学会教育講演で結果還元・発表予定である。
3. ビッグデータ解析(脂質異常症)
DPC由来3,000万人匿名データから59万人抽出した脂質異常症リアルワールド解析を実施中であり、脂質異常症システマティックレビューで示された温泉療法の有効性を大規模診療情報データで検証する試みである。解析完了後、2026年5月30日の学会総会までに論文投稿と教育講演での結果公表を予定しており、生活習慣病管理における温泉療法の位置付けを量的に示す成果が期待される。本研究班は、生活習慣病・ロコモティブシンドロームに対する温泉療法の有効性を、システマティックレビュー、前向き観察研究、プロトコール化された介入研究計画の三層で体系的に検討してきた。 脂質異常症・糖尿病/肥満・高血圧・フレイル・変形性膝関節症・高尿酸血症の6領域に対するシステマティックレビューにより、温泉および関連する温熱負荷が血圧・脂質・血糖・身体機能・QOLなどに一定の有益な影響を与えうること、同時にエビデンスの質や対象集団にばらつきが存在することが明らかになった。一方、「温泉療養指示書」の電子化と前向き観察研究により、実臨床に近い高齢者集団で温泉療法前後のQOL指標(SF-36)の変化を追跡する基盤が整いつつあり、今後どのような背景・併存症を有する患者が温泉療法のベネフィットを享受しやすいかをベネフィットを享受しやすいかを確認できると考えられる。DPCの大規模診療情報データベース解析と組み合わせることで、薬物療法単独では管理不良な生活習慣病・ロコモ関連患者を客観的に抽出し、温泉療法の潜在的適応患者像を定量的に規定しうる点は、本研究班の大きな強みである。
今後は、別府市の温泉利用型健康増進施設をフィールドとした。DCT(Decentralized Clinical Trial)型介入研究や、AIによるPRO・バイオマーカー・歩行能力等の多次元データ解析を通じて、標準温泉療法プログラムの精緻化とパーソナライズド化を進める必要がある。
結論
本研究は、生活習慣病およびロコモティブシンドロームに対する温泉療法の効果をシステマティックレビューと前向き研究により科学的に検証し、そのエビデンスに基づく標準プログラムを構築することで、地域医療・地域包括ケアに資する新たな介入モデルを提示することを本研究は、生活習慣病およびロコモティブシンドロームに対する温泉療法の効果をシステマティックレビューと前向き研究により科学的に検証し、そのエビデンスに基づく標準プログラムを構築することで、地域医療・地域包括ケアに資する新たな介入モデルを提示することを具体的には、SF 36、EQ 5D、PSQI、 IADL等のQOL・ADL指標と脂質、炎症マーカーなどの客観的指標を統合し、レスポンダー・ノンレスポンダーを層別化するアルゴリズムを構築することで、疾患別・重症度別・フレイルレベル別の推奨プログラムを提示できると考えられる。
加えて、本研究の成果は、温泉療法ガイドライン、温泉療法医向け指導書、一般向け啓発資料の作成を通じて、地域包括ケアシステムの中に温泉療法を位置付け、健康増進・介護予防・医療費抑制に資する政策提言へと発展しうる。 AMEDや民間財団による実装研究と連携しつつ、別府モデルを他の温泉地へ展開し、日本発のエビデンスに基づく温泉療法の国際発信と保険適用の議論につなげていくことが、今後の重要な課題である。
加えて、本研究の成果は、温泉療法ガイドライン、温泉療法医向け指導書、一般向け啓発資料の作成を通じて、地域包括ケアシステムの中に温泉療法を位置付け、健康増進・介護予防・医療費抑制に資する政策提言へと発展しうる。 AMEDや民間財団による実装研究と連携しつつ、別府モデルを他の温泉地へ展開し、日本発のエビデンスに基づく温泉療法の国際発信と保険適用の議論につなげていくことが、今後の重要な課題である。
公開日・更新日
公開日
2026-09-25
更新日
-