今後の中長期的なG7・G20への我が国の関与及び国際保健課題の取組の促進に資する研究

文献情報

文献番号
202505007A
報告書区分
総括
研究課題名
今後の中長期的なG7・G20への我が国の関与及び国際保健課題の取組の促進に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25BA0301
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
城山 英明(国立大学法人東京大学 未来ビジョン研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 勝間 靖(早稲田大学 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科)
  • 鈴木 一人(東京大学 公共政策大学院)
  • 松尾 真紀子(東京大学 大学院公共政策学連携研究部)
  • 詫摩 佳代(慶應義塾大学 法学部)
  • 武見 綾子(東京大学先端科学技術センター グローバル合意形成政策分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
2,945,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2030 年にはG7 が日本で開催される予定である。新型コロナウイルス感染症により顕在化したグローバルヘルス・アーキテクチャーの構造的変化の必要を踏まえ、G7 やG20 等に向けて日本が今後の国際保健分野において果たすべき役割とその具体的な方法を検討する必要がある。そのような作業の前提として、本研究では、これまでの議題や議論の内容を分析して現在のグローバルヘルス・アーキテクチャーに関する課題を明らかにし、日本として提起する課題を明らかにすることを目的とした。2025 年度においては、関連機関の政策文書や論文等の検討や若干のインタビュー等を通して、提起すべき課題の整理、分析を行うとともに、研究枠組みを構築することを目的とした。具体的には、以下の項目について検討を進めた。
研究方法
本研究は、基本的には、関係機関における政策文書や論文の分析を通して行った。一部については、関係者のインタビューも活用した。
結果と考察
各研究項目に関する研究結果・考察・結論は以下の通りである。①「グローバル保健財政の動向と我が国の政策対応に関する研究」では、新型コロナ対応後の国際保健財政における水平的アプローチ・調整志向や、米国の選択的関与、日本主導のUHCナレッジハブの特徴と可能性を明らかにした。②「気候変動を含む地球環境と健康との関係に関する研究」では、WHOが2008年以降に気候変動を優先課題化したこと、今後のHNAPにはメンタルヘルスやウェルビーイングも含める必要性が示された。③「地経学と経済安全保障の観点からの国際保健戦略」では、国際秩序がルール基盤からパワー基盤へ移行する中、日本はミドルパワー連携を通じてルールに基づく秩序維持を図る必要があると論じた。④「バイオセーフティ・セキュリティの課題と対応の検討」では、バイオ×AI融合技術や技術民主化による課題を整理し、「バイオリスク」がバイオセーフティとバイオセキュリティを橋渡しする概念となり得ることを示した。⑤「国際環境変動下での日本の保健外交の歴史的経緯と今後の可能性に関する研究」では、日本のグローバルヘルス支援に戦前からの継続性が見られることを確認し、包括的支援や国際規範形成、地域連携における役割の重要性を示した。⑥「AI・データ時代のグローバルヘルス研究開発体制に関する研究」では、研究開発促進の観点から。相互運用性や安全性技術、実装ガバナンスの重要性を示し、国際協調は制度移植ではなく、各国制度の相互参照と共通基盤構築として進める必要があると整理した。
結論
各研究項目に関する結論は以下の通りである。①「グローバル保健財政の動向と我が国の政策対応に関する研究」では、国際的に水平的アプローチへの移行が求められている一方、その速度や調整主体をめぐって差異があることが確認された。その中で、日本主導のUHCナレッジハブは、水平的アプローチを推進するともに、WHOと世界銀行との間接的調整・支援の場として重要な役割を果たし得るとした。②「気候変動を含む地球環境と健康との関係に関する研究」では、『UAE宣言』が気候と健康をめぐる国際的転換点であり、今後のHNAPにはメンタルヘルスやウェルビーイングも含める必要性が示された。③「地経学と経済安全保障の観点からの国際保健戦略」では、大国間協調の困難化を踏まえ、日本はミドルパワー連携を通じてルールに基づく国際秩序を支える役割を果たす必要があると論じた。④「バイオセーフティ・セキュリティの課題と対応の検討」では、関連コミュニティ間の連携によるランドスケープ整理の必要性とともに、Red teamingやby design型安全対策、規範形成など多面的対応の重要性が示された。⑤「国際環境変動下での日本の保健外交の歴史的経緯と今後の可能性に関する研究」では、日本はGHITやUHCハブ等を通じた保健イノベーション、国際規範形成、地域連携において重要な役割を担いうることが示された。⑥「AI・データ時代のグローバルヘルス研究開発体制に関する研究」では、制度的多様性を前提に、国際協調は制度移植ではなく、各国の経験共有と共通基盤構築として進める必要があると整理された。また、日本はUHC、医療DX、DFFT、広島AIプロセス等の経験を基盤に、データ・AIガバナンスの設計原理を提示し得ると結論づけられた。

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
202505007Z