国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究

文献情報

文献番号
201019059A
報告書区分
総括
研究課題名
国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究
課題番号
H22-3次がん・一般-042
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中山 健夫(京都大学大学院医学研究科 健康情報学)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 建(静岡県立静岡がんセンター 腫瘍内分泌学)
  • 別府 宏圀(特定非営利活動法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学臨床研究センター 消化器外科学)
  • 朝倉 隆司(東京学芸大学教育学部 )
  • 隈本 邦彦(江戸川大学メディアコミュニケーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「国民の情報不足感」の解消は、がん対策推進基本計画の示す最重要課題の一つである。それに応えて医療者による支援体制の整備が進められているが、専門家が提供すべきと考える情報と、病気と共に生きる患者・家族、そして病気を意識すること無く職場・家庭で日常を生きる一般市民、それぞれが求める情報の重なり・相違は明確ではない。本研究は「国民(患者・家族・一般市民)のがん情報不足感」の実状の解明と共に、既存の患者視点の情報創出活動を発展させ、下記3領域のデータベース構築に取り組む。加えて患者相談事業、ガイドライン作成の経験豊富な専門医との協働により医学的適切さを確保しつつ、データベースの可能性の多面的検討を通して、「新たな社会資源としての患者視点情報」の充実と、「情報発信者としての患者・家族」の役割への注目により、「国民のがん情報不足感」の解消を目指す。
研究方法
1.患者体験情報:がん患者の面接調査により自覚から受診、診断、治療における患者体験を把握、患者視点で映像・音声・テキスト形式として編集し、インターネット上で提供。2. 闘病記図書情報:既存の図書情報の網羅的把握と分類によるデータベース化を進め、患者視点の情報として有用性を向上させる。その成果をアウトリーチ活動としてがん診療連携拠点病院、公共図書館での患者情報サービスの普及(推奨書籍提示、運営支援)と連携させる。3. 患者会情報:患者自身が自分の病気の患者会を探すだけでなく、「患者の声」を求める自治体・学会が適切な「患者(会)」を選択する資源、「患者(会)」にとっては社会的発言の機会を得る仕組みとして機能させていく。
結果と考察
初年度は各分担課題と共に、がん患者、家族、比較群として一般の方を対象にインターネット調査を実施し6,560人から回答を得て解析を進めている。また一般向けの活動状況報告と意見交換の場として平成23年2月5日に闘病記研究会「闘病記の医学教育への活用」(東京)、2月6日に研究班公開フォーラム「がんと向き合い、より良く生きるために-患者視点情報の可能性と課題」(日本対がん協会共催・東京)を開催した。
結論
本研究により、がん対策推進基本計画の強調する「国民のがん情報不足感」の解消が大きく推進することが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201019059Z