文献情報
文献番号
201018009A
報告書区分
総括
研究課題名
要保護児童における被虐待による問題や障害等の類型化された状態像とケアの必要量の相互関連に関する研究
課題番号
H20-子ども・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院 福祉サービス部)
研究分担者(所属機関)
- 山縣 文治(大阪市立大学大学院 生活科学研究科)
- 庄司 順一(日本子ども家庭総合研究所 子ども家庭福祉研究部)
- 東野 定律(静岡県立大学 経営情報学部)
- 山内 康弘(帝塚山大学 経済学部)
- 松繁 卓哉(国立保健医療科学院 福祉サービス部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題では、わが国の社会的養護体制が児童の状態像に応じた効果的な処遇ができる体制となることを目指す施策を検討するために、現在の入所児童及び彼らに提供されているケアの実態を示す資料を提供することを目的とし、今年度は、以下の内容の研究を実施してきた。
研究方法
1)社会的養護体制におけるケア及び、その評価に関する国際比較、2)職員配置別ケア形態別に着目した児童養護施設において提供されたケアの実態に関する研究、3)情緒障害児短期治療施設入所児童の特徴及び、提供されるケア内容の実態、4)情緒障害児短期治療施設非設置県における児童養護施設及び児童自立支援施設の入所児童の特徴、5)社会的養護施設入所児童における入所期間別情緒・行動上の問題発現傾向の検討、6)集団同期理論を用いた数理モデルの適用による要保護児童の特徴パターンの検討、7)被虐待及び情緒行動上の問題を考慮した社会的養護施設における技術効率性測定と規模の経済性に関する基礎的研究、8)社会的養護施設における自立支援計画及び、提供すべきケア内容の質的検討である。
結果と考察
今年度、実施したタイムスタディ及び要ケア度のデータを用いた分析によって入所施設における児童へのケア提供方法は、施設種別やケア提供体制によって大きく異なり、また同一施設内においてもケアは標準化されておらず、児童によっては、適切なケアが提供されていないといった、ケア提供体制に混乱がみられる状況であることがわかった。このためには今年度、児童の生活全般を見渡した個別のケア目標と、これを達成するための支援やケアの方法の構造化を行った。しかし、これについては、今後、さらに臨床現場からの意見を取り入れ、その妥当性について検証していく必要があると考えられた。
結論
今年度の研究成果として、これまで収集したデータ(要ケア度、タイムスタディ等)の詳細な分析及び社会的養護施設臨床実践を基礎とした自立支援計画の取り組みの整理によって、支援目標(児童目標)、対象年齢別の具体的支援方法の標準モデルを作成することができた。同時に、標準モデルの作成・実用に際し、留意すべき事項が検討され整理された。今後は、今回、開発した内容を用いて、社会的養護施設入所児童に対して調査等、妥当性の検証を行う必要があると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2011-06-17
更新日
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