漢方の特性を利用したエビデンス創出と適正使用支援システムの構築

文献情報

文献番号
201015049A
報告書区分
総括
研究課題名
漢方の特性を利用したエビデンス創出と適正使用支援システムの構築
課題番号
H22-臨研推・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 賢治(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 今津 嘉宏(慶應義塾大学 医学部)
  • 嶋田 豊(富山大学 大学院)
  • 関 隆志(東北大学 医学部)
  • 村松 慎一(自治医科大学 東洋医学部門)
  • 並木 隆雄(千葉大学 医学部)
  • 宮野 悟(東京大学 医科学研究所)
  • 美馬 秀樹(東京大学 大学院)
  • 木村 容子(東京女子医科大学 東洋医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
48,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は1.個別化治療、2.患者の主観的愁訴を重視した医療、3.全人医療、といった漢方の特性を生かした臨床研究手法により、漢方のエビデンスを創出するとともに、漢方薬適正使用のための診療支援システムを構築することである。
研究方法
本研究においては、患者主観情報を取り入れた診療情報プラットフォームを基盤として日本を代表する漢方診療施設で症例集積することを計画した。平成22年度は分担研究者、研究協力者とともに診療情報プラットフォームについて改善点について議論し、参加診療施設で同じ基準で情報が収集できる体制を作ることを目指した。実際に各施設で行っている問診はかなり異なっており、その整合性を取るために、まずは各施設における問診情報の解析を行い、客観的に問診項目見直しの土台作りを行った。
結果と考察
漢方の診断である「証」にはっきりとした定義がないことから、従来の漢方薬の臨床研究はほとんどが西洋医学的診断に基づくものであり、漢方の特性が生かされていない。そこで漢方の特性を生かした従来にない臨床エビデンスの創出が求められる。
慶應義塾大学病院における症例集積は順調に進行しており、延べ症例数も11,000件を越えた。集積したデータから、冷えに関与する因子同士の解析を行った。また、問診システムをウェブ環境でもできるようにした。分担研究者の施設でも本研究の倫理委員会の承認を得られた施設もあり、平成23年度は多施設での症例集積を本格化する計画である。
結論
漢方の特性を生かした臨床研究手法を確立するために、多施設間で共有できる情報プラットフォームを構築するための、患者情報(問診項目)の比較検討を行った。アプリオリを用いた検討では問診項目間で関連性が明らかになり、効率のいい問診作成ための基盤ができた。また、ウェブベースの診療情報プラットフォームができ、モバイル上で操作することが可能となった。

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201015049Z