文献情報
文献番号
202428009A
報告書区分
総括
研究課題名
食事摂取状況等を考慮したいわゆる「健康食品」の安全性確保に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23KA1009
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
村上 健太郎(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 朝倉 敬子(東邦大学医学部社会医学講座予防医療学分野)
- 松本 麻衣(医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部)
- 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
- 篠崎 奈々(東京大学 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野)
研究区分
食品衛生基準科学研究費補助金 分野なし 食品安全科学研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
【目的1】初年度で広く摂取されていることが明らかになったサプリメントに関して、栄養素等含有量データベースを構築する。既存の論文および公開データ(食品企業による含有量データ)を網羅的に収集・整理・統合することにより、サプリメントの栄養素等含有量データベースを構築する。
【目的2】サプリメントの栄養素等含有量データベースを既存の食事データとつなぎ合わせ、各種栄養素等の摂取量への各種サプリメントの寄与割合を算出する。
【目的3】新規の食事調査等を実施する。これまでの研究成果を踏まえつつ、特に問題視される成分を含むサプリメントを摂取する者を十分な数とらえられるデザインで調査を実施する。食事調査は、習慣的な摂取状況を把握するための妥当性が検証済みの質問票(brief-type diet history questionnaire (BDHQ)やmeal-based diet history questionnaire (MDHQ))とサプリメント摂取状況質問票(目的1および2を踏まえて開発)を用いて、オンラインもしくは紙の質問票を用いて行なう。
【目的2】サプリメントの栄養素等含有量データベースを既存の食事データとつなぎ合わせ、各種栄養素等の摂取量への各種サプリメントの寄与割合を算出する。
【目的3】新規の食事調査等を実施する。これまでの研究成果を踏まえつつ、特に問題視される成分を含むサプリメントを摂取する者を十分な数とらえられるデザインで調査を実施する。食事調査は、習慣的な摂取状況を把握するための妥当性が検証済みの質問票(brief-type diet history questionnaire (BDHQ)やmeal-based diet history questionnaire (MDHQ))とサプリメント摂取状況質問票(目的1および2を踏まえて開発)を用いて、オンラインもしくは紙の質問票を用いて行なう。
研究方法
全国32都道府県に住む1~79歳の日本人男女4692人を対象として2016~2020年に実施された「食品摂取頻度・摂取量調査」で収集された8日間秤量食事記録に登場したサプリメント(2000種類以上)に関するデータベースを構築した。含まれるデータは、製品ID、商品名のウェブ検索による商品の特定の可否、商品名備考(食事記録からの追加情報など)、商品情報URL、情報源の種類、製品名、製造者、ブランド名、特定保健用食品/栄養機能食品/機能性表示食品の別、機能性の認定成分、食品/医薬品・医薬部外品/サプリメント/強化食品の別、内容総量、1回服用量、1回服用量あたりの製品重量、原材料、謳い文句、使用上の注意、原材料の種類、サプリメントの製品タイプと形状、各種栄養素・生理活性物質の含有量である。
これら以外に文献研究として、栄養補助食品からの摂取量を定量化するための質問票に関するスコーピングレビュー(および質問票抽出)、特に着目すべき栄養成分や機能性成分等に関する網羅的情報収集・整理を行った。
これら以外に文献研究として、栄養補助食品からの摂取量を定量化するための質問票に関するスコーピングレビュー(および質問票抽出)、特に着目すべき栄養成分や機能性成分等に関する網羅的情報収集・整理を行った。
結果と考察
データセットによって進捗状況が大きく異なる。まず、①塩研究は、サプリメントのコード化および栄養成分データベースの開発が完了し、サプリメント由来(および通常の食品由来)の各種栄養素摂取量の推定を行った論文を発表した(Sugimoto M, Asakura K, Shinozaki N, et al. Contribution of fortified foods and dietary supplements to total nutrient intakes and their adequacy in Japanese adults. BMC Nutr. 2024;10(1):125.)。②どんぐり研究および③文科省小中学生研究は、データを詳細に検討したところ、サプリメント使用頻度が高くないことが明らかとなった。加えて、⑤みんなでやろう全国食事調査のサンプルサイズのほうがはるかに大きいため、②と③のデータに関しては、これ以上は扱わないこととした。④女性三世代研究は、サプリメントのコード化を完了し、サプリメント使用者と非使用者の基本特性、生活習慣および食事摂取量の違いに関する解析を進めている。⑤のデータクリーニングおよびコード化は、7割程度が完了したところである。⑤の解析を進めることにより、サプリメントの栄養素等含有量データベースが(ある程度)構築され、また、性・年齢階級ごとの各種栄養素等の摂取量への各種サプリメントの寄与割合が明らかになる。
結論
サプリメントの利用実態に関する調査を実施した。この調査では、それぞれのサプリメントについて、使用目的や1回に摂取すべき量を、人々がどの程度正しく認識しているのかを明らかにすることに主眼を置いている。一方で、サプリメントからの各種栄養素摂取量の推定については、⑤のデータで十分に明らかにできると考え、この調査では、サプリメントからの摂取量を推定することには主眼を置かないこととした。現在、調査データのクリーニングおよび解析を進めているところである。
さらに、世界各国でサプリメント摂取状況をどのように調査・測定しているかについて、学術論文を網羅的かつ系統的に収集・読解するレビュー作業を進めている。
さらに、世界各国でサプリメント摂取状況をどのように調査・測定しているかについて、学術論文を網羅的かつ系統的に収集・読解するレビュー作業を進めている。
公開日・更新日
公開日
2025-10-16
更新日
-