低年齢児保育が子どもの発達等に及ぼす効果・影響の解明のための研究

文献情報

文献番号
202427016A
報告書区分
総括
研究課題名
低年齢児保育が子どもの発達等に及ぼす効果・影響の解明のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23DA1301
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
箕輪 潤子(武蔵野大学 教育学部幼児教育学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究プロジェクトの目的は大きく3点に整理することができる。
 第一に、日本の保育所等における<低年齢児の保育実践の質>を探索すること。第二に、低年齢児の保育実践における質、特に「プロセスの質」を捉えるためのツールを開発すること。第三に、作成した尺度を踏まえ、子どもの発達との関連について試行的な調査を実施すると共に、尺度を外部評価に用いる際の研修や、園内研修等に用いるための方法を開発することである。
 令和6年度は、1.低年齢児保育を対象とした研究を行う研究者や、低年齢児保育を行う園の管理職へのインタビューの実施と、インタビューデータの分析による「低年齢児保育の質」に関わる要素の整理 2.低年齢児保育を行う保育施設への質問紙の回答の分析 3.低年齢児保育プロセスの質尺度の開発と、仮調査・本調査ならびに、子どもの発達調査 の3点を実施することを目的とした。
研究方法
1. インタビュー・質問紙調査の分析
①研究者・低年齢児保育を行う施設の管理職に対し、低年齢児の保育の質についての考えや、低年齢児の保育の質を評価する尺度・ツールについての考えを、半構造化面接法を用いてヒアリングした際のインタビューデータの分析を行なった。②国内外の先行研究、保育所保育指針を踏まえ、低年齢児の保育の質(プロセスの質・構造の質)・保育所等の保育の状況に関する項目を作成し、質問票にしたものを、保育所等に勤務する保育士、管理職に送付し(R5年度)、戻ってきた回答について、量的・質的に分析を実施した。
2. 質問票の質問項目を中心として低年齢児保育プロセスの質尺度(仮)を作成し、インタビュー調査の分析結果、質問紙調査の分析結果を踏まえ、「低年齢児保育の質尺度案」を作成、仮調査・本調査1回目を実施した。また、本調査では、子どもの発達調査も併せて実施した。
結果と考察
インタビュー調査と質問紙調査の分析からは、低年齢児保育のプロセスの質に関わる要素として、「基本的生活において、安心・健康・安全に過ごせる環境と関わり」「愛着の形成、子どもの人権の尊重を大切にした関わり」「経験と発達を支える環境構成と関わり」「職員間・保護者との連携」が主に明らかになり、尺度項目に反映させた。尺度についてのインタビューでは、保育の質を評価することの重要性ならびに、評価尺度の有用性と懸念が語られていた。
結論
インタビュー調査と質問紙調査の分析によって示された低年齢児保育のプロセスの質に関わると考えられる要素を踏まえ『低年齢児保育プロセスの質尺度(案)』を作成し、本調査を実施した。R7年度は、本調査1回目の分担者・研究協力者(調査員)の意見を踏まえ、一部の項目の文言の加筆修正を行なう。また、本調査2・3回目を実施し、尺度の信頼性・妥当性の検証を行い、尺度を完成させるとともに、尺度を用いた園内研修・自己評価ツールを作成予定である。

公開日・更新日

公開日
2025-09-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-09-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
202427016Z