人工ガンマグロブリンの製剤化への安全性と臨床試験にむけた評価系の確立

文献情報

文献番号
201009007A
報告書区分
総括
研究課題名
人工ガンマグロブリンの製剤化への安全性と臨床試験にむけた評価系の確立
課題番号
H21-政策創薬・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 和男(千葉大学大学院 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 大野 尚仁(東京薬科大学 薬学部)
  • 高橋 啓(東邦大学医療センター 大橋病院)
  • 荒谷 康昭(横浜市立大学 大学院)
  • 亀岡 洋祐((独)医薬基盤研究所)
  • 宇野賀津子((財)ルイ・パストゥール医学研究センター)
  • 野島  博(大阪大学・微生物病研究所)
  • 平橋 淳一(東京大学医学部附属病院)
  • 長尾 朋和(千葉大学大学院医学研究院)
  • 山本 健二(国立国際医療研究センター研究所 )
  • 武曾 惠理(財)田附興風会医学研究所北野病院)
  • 佐地 勉(東邦大学医療センター大森病院)
  • 相澤 義房(新潟大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 小林 茂人(順天堂大学附属順天堂越谷病院)
  • 今井 圓裕(名古屋大学大学院)
  • 湯村 和子(自治医科大学地域医療学センター)
  • 山縣 邦弘(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
  • 有村 義宏(杏林大学 医学部)
  • 藤元 昭一(宮崎大学 医学部)
  • 布井 博幸(宮崎大学 医学部)
  • 河内 正治(国立国際医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
32,583,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
加齢によって増加する重症感染症、自己免疫疾患、血管炎、リウマチなどの難治性疾患への初期治療に免疫グロブリン製剤大量療法(IVIg)の必要性が増している。また、2010年1月にChurg-Strauss症候群(CSS)への適応拡大が認可されるなど需要の増加に加え、安全性や医療経済の点からも、人工化が今日的急務となっている。本年度は、ヒト型人工ガンマグロブリンのクローンの絞込み、モデルマウスによる力価判定法と評価マーカの検討、モデルマウスによる力価と治療マーカを選定することを目的とした。臨床応用に向けて、in vitroでの体外評価法の開発をめざし、臨床研究プロトコルの検討やヒト型に特化した治療効果判定や臨床治験に向けた動物モデルでの治療を評価・支援する。安全性の向上についても臨床サイドからの動物実験の評価と治療法のバックアップをする。

研究方法
1.基礎班、1)人工ガンマグロブリンの構築、クローンの解析、培養と精製、2)血管炎モデルマウス(SCG/kjマウス)での力価判定、3)in vitro評価系による力価判定、4)モデルマウスおよび評価系を検討した。2.臨床班、1)血管炎の病態とIVIG治療: MPO-ANCA陽性高齢MPA患者のIVIG治療、臨床パラメーターによる解析、糸球体障害を認めないMPO-ANCA関連血管炎、本邦におけるMPO-ANCA陽性のMPAの病態、CSSへのIVIG治療、 進行性腎障害調査、川崎病のIVIG治療とバイオマーカーを検討した。3.安定性と毒性試験の検討、4.国際評価関連―新基準に関する国際会議への参画。
結果と考察
基礎班では、人工ヒト化ガンマグロブリンの合成と精製がほぼ完了し、in vitroでの評価で有効性が確認され、3)モデルマウスでのin vivoでの有効性が確認できた。また、新たに病因に関与する分子moesinを同定した。臨床班では、1)人工ヒト化ガンマグロブリンの臨床試験にむけた治療と病態についての有効性を確認するとともにプロトコルの検討がされた。また、血管炎の調査により人工ヒト化ガンマグロブリンの臨床試験にむけた治療法の検討も加えられ、川崎病での治療のバイオマーカが明らかにされた。血管炎の新基準に関する国際会議への参画の成果も得られている。
結論
ヒト型の臨床試験に向けてプロトタイプクローンの構成を絞り込み、モデルマウスでの評価とin vitroでの体外評価法も検討した。臨床班では、臨床治験をみすえた血管炎の治療成績の新知見と状況準備、人工免疫グロブリンの安全性と動物実験の評価と治療法のバックアップを中心に研究した。

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201009007Z