疾患研究のための生物資源の所在情報データベース等の構築と維持と関連する政策・倫理課題の研究

文献情報

文献番号
201008033A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患研究のための生物資源の所在情報データベース等の構築と維持と関連する政策・倫理課題の研究
課題番号
H22-創薬総合・指定-016
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
増井 徹(独立行政法人 医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡村 智教(国立循環器病研究センター 予防健診部)
  • 加藤 規弘(国立国際医療研究センター 研究所 遺伝子診断治療開発研究部)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部)
  • 山崎 由紀子(国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター)
  • 山田 靖子(国立感染症研究所 動物管理室)
  • 松田 潤一郎(独立行政法人 医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
  • 金井 弥栄(国立がん研究センター 研究所 分子病理分野)
  • 恒松 由記子(こども教育宝仙大学 幼児教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
21,110,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト由来試料等と疾患モデル動物等、ヒト疾患研究資源の所在情報データベースを含めた、疾患関連データベース群の統合・構築・公開・維持についての調査研究と、バイオバンク事業の調査研究を行い、その成果を活用して国内の疾患研究を促進する。また、患者、医師、研究者、企業の連携と利害調整等の政策・倫理的課題を研究し、円滑な疾患研究環境の整備を目指す。ヒト疾患研究の基盤整備により、国民生活の安全安心の推進と福祉の向上に貢献するとともに、国際貢献にも寄与し、それによって国際競争力を高めることを目的とする。
研究方法
1.医薬基盤研究所が管理する疾患研究用の8つのデータベースを統合し、横断的に検索できるシステムを構築し、公開する。
2.欧米のバイオバンクの動きについて調査研究を行う。また、国内のバイオバンク事業について、その倫理的課題を検討し、指針上のグレーゾーンの解決策について、個々の事例を検討し集約する。 
3.国立高度専門医療研究センター(以下NC)の疾患研究資源の状況について調査研究すると同時に、その連携施策について検討し、NC側関係者との協議を経てネットワーク型バイオバンクの構築を目指す。
結果と考察
1.医薬基盤研究所の8つのデータベースを統合し、横断検索システムを構築した。これにより、厚生労働省傘下初の統合データベースが実現した。将来の研究によって集積される、生物資源登録の運営基盤として活用できると考える。
2.英国がん研究所、米国がん研究所についての調査研究とともに、バイオバンクを行っているドイツのIndivumed社の事業について調査研究を行った。その結果、Indivumed社は手術サンプルの情報の収集と高品質化のためのシステムを開発していることが判明した。
3.NC6機関の関係者と議論を進めてきた、「6NC連携会議」の設立について、6NC所長・副所長会議で合意され、本格的に始められることになった。本研究事業の研究分担者がNCの委員長及び委員として加わり、本研究代表者の増井がNC以外の唯一の委員として参加した。
4.本研究事業の成果を活かして、難病研究資源バンクの運営を政策・倫理面で支援し、文書体系の設計・作成を行った。また、医学研究への参加意思決定の要因についてのアンケート調査、ゲノム研究の普及啓発パンフレットの改訂を行った。
結論
本研究事業では、疾患研究のための生物資源の所在情報をワンストップで収集したデータベース構築と、その情報が活かされるために必要な試料等の流通枠組みの政策・倫理面での研究を行った。これまでの成果が日本の生物資源事業全体にとって有益となると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-09-14
更新日
-

収支報告書

文献番号
201008033Z