サリドマイド胎芽症患者の健康、生活実態の把握及び支援基盤の構築

文献情報

文献番号
202424038A
報告書区分
総括
研究課題名
サリドマイド胎芽症患者の健康、生活実態の把握及び支援基盤の構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
23KC2017
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
田辺 晶代(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 貴徳(関西医科大学 整形外科)
  • 長瀬 洋之(帝京大学 医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学)
  • 芳賀 信彦(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 曽根 英恵(国立国際医療研究センター病院)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
15,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
サリドマイド胎芽症(以下、サ症)者の健康上の問題点や生活実態を把握し、医療や介護サービス等を提供して支援基盤を強化することが本研究の一番の目的である。さらに、構築したサ症に対する研究、支援活動のグローバルネットワークを発展させ、必要な情報をお互いに共有し全世界のサ症診療のレベルアップに貢献することも目的とする。
研究方法
1)サ症者の多い独英でも実施されていない系統的な人間ドック健診を継続する。
2)加齢に伴い頻度が増加する、糖・脂質代謝異常、骨代謝異常などの問題に対して臨床的なアプローチを強化する
3)サ症者が直面する健康、生活上の問題に対する速やかな対応・対処を行うための情報を提供する。
4)サ症者のQOLを向上させる、あるいは低下を防ぐための福祉用具、生活自助具の選定、活用法を検討する。QOL低下の要因である疼痛に対するマッサージの有効性は本邦も含め各国で指摘されている。リハビリテーション領域スタッフにより、サ症者におけるマッサージの効果の検討を継続する。
5)精神的問題に対するアプローチ強化のために実施したアンケート調査結果および、サ症者の生活実態を把握するために実施した生活実態調査-2022の結果の詳細解析を行う。
6)新規のサ症疑い者の診断審査に関する「診断の手引き」に基づき、診断審査を行うための手順、申請書の整備のために必要事項の検討を行う。
結果と考察
1)人間ドック受診者は計15名であった。平均年齢は62.5歳であった。 BMIは24.1 ±3.8 kg/m2であり、BMIで判定される肥満者は9名(60%)、腹部超音波検査あるいはCTで脂肪肝と判定された受診者は8名(53%)であった。脂質異常症や糖代謝異常を合併している頻度は低かったが、内臓肥満の合併が多いと考えられた。また、男女ともに大腿骨近位端の骨密度が低下している例が見られ、転倒時の骨折リスクへの対処が必要であると考えられた。脊椎CTでは加齢に伴う頚椎症・前方すべりが認められた。異常所見が確認された者に対して、個別に、生活指導、精密検査や治療に関する医学的なアドバイスを提供することができた。データの解析から脂肪肝、脂質異常症、骨粗鬆症の罹患頻度が高いことが明らかとなった。加齢に伴いこれらの疾患および続発する合併症の頻度が増加し、ADLやQOLを低下させる大きな要因となることが予想される。今後もできるだけ多くのサ症者に人間ドック健診を実施し、無症候性の疾患の検出、治療の促進に結び付けることが重要であると考えられる。
2)サ症者が直面する健康、生活上の問題、生活サポートや医療・福祉支援に対するニーズを把握し的確な支援を行うために実施した、サ症者を対象としたアンケート調査による健康・生活実態調査のデータを集計し、解析した。今後も解析作業を進め、過去の生活実態調査の結果を用いた経時的変化の解析、国民生活調査との比較を行い、加齢や社会情勢の変化に伴う実態やニーズの経時変化を把握し、変化に即した対応や情報提供の方策を検討する。
3)サ症者が必要としている自助具の種類を把握するためサ症者および支援者から聞き取りを行った。結果を元に市販の自助具として活用できる可能性がある市販の生活便利グッズを多岐にわたり多種類を購入し、サ症者および支援者と実際に使用した際の有用性等について意見交換を行った。
6)新規のサ症疑い者の診断審査に関する手順、診断審査のための申請書の作成を行った。
結論
サ症者の健康、生活の向上のサポートおよび、有用な情報の発信を行うことができた。人間ドック健診を実施し、健康維持や治療に繋げるアドバイスを提供することができた。

公開日・更新日

公開日
2025-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-09-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
202424038Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
20,000,000円
(2)補助金確定額
16,636,000円
差引額 [(1)-(2)]
3,364,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,295,540円
人件費・謝金 3,240,047円
旅費 706,418円
その他 6,094,051円
間接経費 4,300,000円
合計 16,636,056円

備考

備考
補助金確定額と支出合計に差が生じている件につきましては、手続き上、端数の切り捨て処理をしたことによるものです。

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-