特定機械等の安全衛生対策等に活用できる先進的なデジタル技術の現状把握及び活用への課題抽出

文献情報

文献番号
202422014A
報告書区分
総括
研究課題名
特定機械等の安全衛生対策等に活用できる先進的なデジタル技術の現状把握及び活用への課題抽出
研究課題名(英字)
-
課題番号
24JA1003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
山際 謙太(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 機械システム安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
3,709,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、IoT・DX・AIなどのデジタル技術が特定機械(例:クレーン)における衝突防止や遠隔操作、状態監視などへ活用される現状を踏まえ、安全分野への実装可能性を明らかにすることを目的とした。具体的には、デジタル技術の導入により、安全衛生の向上を目指しつつ、導入に伴うリスクを評価するための基礎資料を整備する点に重点を置いている。
研究の達成目標は三点である。第一に、安全衛生分野で既に活用されている技術と未活用の技術の全体像を把握すること。第二に、技術導入に際して必要となる信頼性や障害時の対応などの課題整理。第三に、社会実装に向けた法制度との整合性の検討である。これらの検討を通じて、安全衛生分野におけるデジタル技術活用の実用的な指針を構築する。
研究方法
本研究は、移動式クレーンメーカー2社と化学系プラント2社の現地調査を通じ、実際に導入されているデジタル技術をヒアリング・観察により収集・整理した。また、海外動向の把握を目的にASME PVP(圧力容器と配管に関する国際会議)へ参加し、最新技術の活用事例を収集した。得られた情報は、技術要素ごとに分類・整理し、テクノロジーマップとして体系化した。技術要素は、「点検・検査」「監視・見守り」「操作・制御」「作業安全」「教育・訓練」の領域に分けて整理され、各技術の導入実態と課題が対応付けられている。
結果と考察
調査対象となったクレーン事業場では、MEMSセンサ、CAN通信、ロードセル、GNSS、クラウド連携、VR教育、Full HDカメラなどの先進技術が導入されていた。これらは、機器構造の可視化、作業安全性の強化、遠隔監視、教育訓練など幅広い目的で活用されており、デジタル化が安全衛生活動の高度化に寄与していた。一方で、信頼性やアナログ機器との併用、既存機器への後付けの難しさなど、現場ならではの制約も明らかになった。
化学系プラントでは、DCS統合、無線センサ、防爆スマートデバイス、ドローン、非破壊検査機器などの高度な技術が導入され、運用の効率化と安全性の両立が図られていた。特に、通信の冗長化、予兆検知の導入、データ活用による保全最適化など、運転管理の高度化が進展していた。
共通する利点としては、点検整備の実効性向上、作業効率化、技術検討の高度化が挙げられる。課題としては、防爆対応機器の高コスト、データの標準化と精度担保、人材育成、法規制の制約が浮き彫りとなった。ドローンや無線通信機器は特に法制度上の制限が大きい。
結論
本研究を通じて、デジタル技術はクレーンやプラントにおける安全衛生活動の多様な側面で有効活用されていることが明らかとなった。とりわけ、構造把握、稼働監視、教育訓練、設備診断などへの適用が顕著である。一方、導入には技術的・制度的課題も多く、特に高コスト・信頼性・制度整合性・人材確保といった点がボトルネックとなっている。今後は、これらの課題を踏まえ、技術選定や制度整備、人材育成を進めるとともに、実用的な技術マップの作成を試みる。

公開日・更新日

公開日
2026-01-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-01-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
202422014Z