生活保護受給世帯の就労自立を促す成人基礎教育カリキュラムの開発

文献情報

文献番号
201001052A
報告書区分
総括
研究課題名
生活保護受給世帯の就労自立を促す成人基礎教育カリキュラムの開発
課題番号
H21-政策・若手-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
添田 祥史(北海道教育大学 教育学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中囿 桐代(釧路公立大学 経済学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、生活保護受給者の就労自立にいたるプロセスを成人の学習としてとらえ、そのために必要な援助実践を体系化し、カリキュラムとして現場に提示することを目的としている。

研究方法
本科研は、3年計画で進められている。二年度目にあたる本年は、①現行の生活保護受給世帯への自立支援プログラムのなかでも、就業体験的ボランティア事業の可能性と課題の検証、②イギリスにおける就業支援実践の視座と手法に関する調査の二つの柱で実施した。就業体験的ボランティア事業は、北海道釧路市の取り組みが先進的であるが、それを参考にして福岡県大牟田市でも実施されている。釧路市の調査は、添田と中囿が共に同事業における「評価と改善のためのワーキンググループ」メンバーに選出されたことから、アクション・リサーチに近い立場になっている。メンバーと協働して、職員、受給者への聞き取り調査を行ったほか、独自に昨年度インタビューを行った男性への追加調査と6名の新規インタビューを行った。大牟田調査は、事業所訪問調査、自立生活支援員への聞き取り調査、4名の受給者へのインタビュー調査を行った。イギリス調査では、社会的企業を中心にスタッフ及び現場の参与観察を行い、援助実践の視座と方法の収集に努めた。
結果と考察
就業体験的ボランティア事業は、「就労自立支援」、「社会生活自立支援」、「日常生活自立支援」を統合するものとして期待が集まっている。「笑顔が増えた」、「生活に張りができた」などの声が当事者から聞き取ることできたが、しかし、就労という「出口」がない中で、閉塞感が生まれはじめていた。
結論
3つの自立観の再構成が待たれる。現行プログラムでは、「就労自立支援」を頂点に、それを支える段階あるいは前提として残り二つが位置づけられている。公金支出がなされている以上、就労を切り離しては国民的合意を得ることは難しい。次年度のカリキュラム生成においては、このバランスを加味しつつ理論レベルでの考察と実践レベルでの提案を行っていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001052Z