診断群分類の精緻化とそれを用いた医療評価の方法論開発に関する研究

文献情報

文献番号
201001048A
報告書区分
総括
研究課題名
診断群分類の精緻化とそれを用いた医療評価の方法論開発に関する研究
課題番号
H22-政策・指定-031
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
  • 石川ベンジャミン光一(国立がん研究センターがん対策情報センター情報システム管理課システム開発室)
  • 今中 雄一(京都大学医学研究科)
  • 阿南 誠(国立病院機構九州医療センター医療情報管理室)
  • 康永 秀生(東京大学大学院医学系研究科)
  • 桑原 一彰(九州大学大学院医学研究院)
  • 藤森 研司(北海道大学病院地域医療指導医支援センター)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部薬学科)
  • 松田 晋哉(産業医科大学医学部公衆衛生学)
  • 河口 洋行(国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野)
  • 福田 敬(医療経済研究機構研究部)
  • 下妻 晃二郎(立命館大学生命科学部)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部薬学科)
  • 能登 真一(新潟医療福祉大学)
  • 五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 白岩 健(立命館大学生命科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
49,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DPC診断群分類に基づく包括評価において病院機能評価指標の妥当性、新たな評価の視点の設定の方法論についての検討が求められている。そこで本研究では、
1)診断群分類の精緻化
2)診断群分類を用いた医療評価の方法論機能評価係数の精緻化
3)診断群分類を活用するための情報基盤の整備
の3つの検討を行うことで、DPCに基づく包括評価制度の円滑な運営に資するための基礎資料を作成することを目的とした。
研究方法
厚生労働省のDPC調査に参加している約1000施設から、DPC関連データ(様式1、様式3、D/E/Fファイル)を収集し分析を行った。
結果と考察
(1)DPCの精緻化
 手術、処置等をマトリックスとして取り扱い分類を集約化する可能性を示した。DPC病院の多様化や亜急性期医療との連携の必要性を背景として、亜急性期医療への診断群分類の適用の可能性を検討した。また、新たにDPC調査データに追加された肺炎の重症度の項目を活用して、診療プロセスの違いを可視化する方法を示した。さらに、診療内容と診断名の関係性を分析し、診療行為から主診断名を求めるアルゴリズムの開発を行った。
(2)診断群分類を用いた医療評価の方法論と機能評価係数の精緻化
 新追加情報の身長・体重情報を用いた輸液量、薬剤投与量と有害事象の検出の検討、過去6年間のDPCデータを連結した血液製剤の使用実態分析、既存データでは明かとすることが非常に困難であった重症小児の治療実態の分析、病院手術数と急性心筋梗塞のアウトカムに関する分析、一般病床における精神科医療の実態、患者安全指標の算出と評価、稀少疾患にかかる医療費の集計、大規模データを用いた臨床指標の算出と医療機関機能評価、稀少疾患等に関する臨床疫学研究、患者住所地郵便番号データを用いた診療圏、医療提供体制の分析方法の開発等を行った。
(3)診診断群分類を活用するための情報基盤の整備
 DPCデータの質の評価方法の開発と、包括評価制度の適正な運用と医療機関の機能評価に結びつくDPCデータ分析スキル向上のための教育、研修方法の開発とセミナーの提供を行った。
結論
本研究の実施により、診断群分類(DPC)の精緻化、診断群分類を活用した適切な医療評価体制の確立(新たな機能評価係数の開発と評価)、診断群分類を活用するための情報基盤の整備等の成果が得られ、わが国における医療の質の確保に結びつくことが期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-06-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-01-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001048Z