柔軟性・持続性のある新しい地域ケア支援の仕組みとその人材開発に関する実証・実践研究

文献情報

文献番号
201001038A
報告書区分
総括
研究課題名
柔軟性・持続性のある新しい地域ケア支援の仕組みとその人材開発に関する実証・実践研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-政策・一般-020
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
冷水 豊(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター)
研究分担者(所属機関)
  • 平野 隆之(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター )
  • 原田 正樹(日本福祉大学)
  • 長澤 紀美子(高知女子大学)
  • 斉藤 雅茂(日本福祉大学 地域ケア研究推進センター )
  • 朴 兪美(日本福祉大学 アジア福祉社会開発研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
軽度障害の高齢者を主な対象とした柔軟性と持続性のある新たな支援の仕組みの一つとしての高知県の「あったかふれあいセンター事業」を素材に、1)先進事例の特徴と課題、2)同センターが対応する利用者のニーズ、3)同センターにおける個別支援・地域支援の内容と方法を明らかにすることを目的にした。
研究方法
①同センターに類似し参考となる全国12の先進事例を選び、ヒアリングや資料収集を行って、支援内容、コーディネーターの役割、運営形態等を整理した。②同センター利用者個々人の状態像やニーズを継続的に把握するため、「利用者データ管理ソフト(Ver.1.0)」を独自に開発した。③高知県北川村の同センターを事例として、利用者への個別支援に関しては「利用者記録様式」、地域支援に関しては「地域支援記録様式」にセンター職員が記入した記述データを分析し、県庁・村役場など関係機関の参加を得て評価会を行った。
結果と考察
①12の先進事例を分析した結果、運営の形態としてボランティア型と事業型、機能の展開として多世代・共生型と対象限定・多機能型があり、多様性が確認された。②開発した「利用者データ管理ソフト(Ver.1.0)」は、同センターにおけるケース管理と実績評価をする上で一定の有用性があった。同センターの利用者の多くは趣味や居場所を求めており、有償運送や買物サービスなどの生活課題を訴える段階には到っていない。しかし、多くの事業所では利用者が増加傾向にあり、中山間地域独自の移動支援への要望が高まっている。③北川村センターの利用者への個別支援は、「集い」の居心地のよい雰囲気とメンバー間の相互の力学が利用者に影響し、各人の意欲や活力を向上させている。また、利用者の心身面や生活面でのニーズを拾い出し、問題解決や見守りと問題発生の予防につなげている。一方、地域支援は、センター利用者以外の在宅高齢者や障害者を対象に、さまざまな連携を通して広範に行われている。
結論
本研究は、進行中の新規事業を素材にしたために、正統的な研究方法の適用が容易ではなかった。この種の実践的研究のためのアクションリサーチ的な研究方法の開発が必要である。また、今後の厚生労働行政の大きな地域的課題は、急速に高齢化が進む大都市地域とともに、本研究の対象地域である高知県のような、人口の絶対数は少ないが都市地域向けの保健福祉政策が通用しにくい中山間地域の問題への対応であろう。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001038Z