人口構造の変化を踏まえた医療提供体制の戦略的構築

文献情報

文献番号
201001034A
報告書区分
総括
研究課題名
人口構造の変化を踏まえた医療提供体制の戦略的構築
課題番号
H22-政策・一般-016
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
印南 一路(慶應義塾大学 総合政策学部)
研究分担者(所属機関)
  • 梶井英治(自治医科大学 地域医療学センター)
  • 小暮厚之(慶應義塾大学 総合政策学部 )
  • 古谷知之(慶應義塾大学 総合政策学部 )
  • 堀真奈美(東海大学 教養学部)
  • 神田健史(自治医科大学 地域医療学センター)
  • 古城隆雄(自治医科大学 地域医療学センター)
  • 阿江竜介(自治医科大学 地域医療学センター)
  • 原田昌範(自治医科大学 地域医療学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 3年間を研究期間として予定する本研究の最終目的は、人口構造の変化を踏まえた医療提供体制の戦略的構築を図る必要性があるとの認識に立ち、医療提供体制を再構築すべき地域(重点支援地域)を特定する実践的な方法を開発し、実際に戦略的なプランを例示することである。
研究方法
 本年度は、1)医療提供体制に関する歴史的変遷の整理、2)医療機関への物理的アクセスに関する方法論の開発、3)人口動態を考慮した地域医療指標の方法論の検討、4)日米の医学教育の比較、5)診療範囲と診療レベルからみた専門医と総合医の分析に分け、合計6つの分担研究を実施した。
結果と考察
 第一の分担研究である「社会環境の変化と医療提供体制の歴史的変遷」では、民間主体の日本の医療提供体制の根本的課題として、全体として計画性に欠ける医療提供体制(病床過剰と偏在問題)となっていること、また公私の役割分担が不明瞭であること等を指摘した。
 第二のGISを用いた「ドクターヘリと日本の救急医療の地域格差」では、救急車のみでは、15分以内に救急医療を受けられる地理面積は、日本全国の約10%(人口では67%)しかないが、追加的に59カ所ドクターヘリを配備すると、地理面積で70%、人口で約95%がカバーされることを示した。
 第三の「病院アクセシビリティ評価に関する基礎的研究」は、主に都市工学や空間情報科学で用いられている手法を医療政策問題に応用した。
 第四の「人口動態を考慮した地域医療指数の将来予測について-確率的死亡率モデルによるアプローチ-」は、地域医療指数の将来予測を行う場合には、コーホート効果を持つ確率的死亡率モデルを用いる重要性が強く示唆された。
 第五の「医師の卒前・卒後教育における日米比較とPrimary Care医の育成上の課題」は、米国と日本の医師の卒前・卒後教育を比較分析し、Primary care医の育成上の課題について整理した。
 第六の「専門医と総合医の特徴を踏まえた医療提供体制を考えるために―診療範囲と診療レベルから医師像を考える」は、診療範囲と診療レベルから専門医と総合医の特徴を描き、専門医は診療レベルが高く、総合医は診療範囲が広範囲であることを報告した。
結論
 本年度は、医療機関への物理的アクセスおよび地域医療指標に関する分析手法の開発を行い、診療範囲と診療レベルから医師の診療の特徴を描きだすことができた。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001034Z