障害者ピアサポート研修の実施内容の検証及び更なる効果的な実施方法の確立に向けた研究

文献情報

文献番号
202417047A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者ピアサポート研修の実施内容の検証及び更なる効果的な実施方法の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24GC1004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
岩崎 香(早稲田大学 人間科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 創生(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部)
  • 宮本 有紀(東京大学大学院 医学系研究科 健康科学・看護学専攻 精神看護学分野)
  • 森地 徹(筑波大学人間系障害科学域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、自治体が障害者ピアサポート研修事業をより効果的に実施するために、研修カリキュラムの改善点をとりまとめ、提案を行うことを主な目的としている。障害福祉サービス事業等において、障害当事者が職員として雇用され、地域移行や地域生活の支援にかかわることは、当事者主体の実践を促進するものだと捉えられる。しかしながら、そこにはまだ多くの課題が残されている。障害者ピアサポート研修は基礎研修、専門研修、フォローアップ研修に分かれているが、それぞれの研修カリキュラムの見直し、特にフォローアップ研修に関しては、現在ピアサポート体制加算、ピアサポート実施加算の対象となっておらず、その位置づけについても議論が求められている。
また、障害者ピアサポート研修はすべての障害者を対象として実施されているわけであるが、障害福祉の中でも支援対象者が多い知的障害領域のピアサポートについては、これまで十分な検討が行われてこなかった経緯がある。本研究は障害者ピアサポート研修の見直しに加え、知的障害領域におけるピアサポートに関する検討を含み、今後の障害ピアサポート研修事業の推進に寄与することを目的として実施している。
研究方法
本研究では、障害者ピアサポート研修事業を実施している都道府県及び政令指定都市を対象としたアンケートを実施するとともに、障害者ピアサポート研修事業に関わってきた身体障害領域、精神障害領域、高次脳機能障害領域、難病領域の障害当事者や支援専門職、研究者等からなる研究協力者に基礎研修、専門研修、フォローアップ研修に関する意見聴取を行い、見直しについての検討を行った。
知的障害領域におけるピアサポートの検討に関しては、知的障害領域で本人活動のリーダーを務めてきた人たち及びその支援者に協力を得て、全国7カ所で本人活動参加者を対象としたグループインタビューを実施した。
結果と考察
障害者ピアサポート研修における基礎研修・専門研修及びフォローアップ研修に長年かかわってきた研究協力者に意見聴取を行った結果、研修の枠組み、各講座の内容研修などに関して示唆に富む意見を得た。実施主体である自治体へのアンケート調査の結果からは、参加者の障害種別に偏りがあること、合理的配慮の実施が限定的であること、運営の多くが民間委託に依存していることが明らかとなった。次年度は、研修で講師・ファシリテーターを担っている方々へのアンケート結果を含めて評価を行い、その結果を踏まえて、カリキュラムの見直し案を示していく予定である。知的障害領域のピアサポートに関しては、障害当時者へのグループインタビューを通じてその活動の現状を把握することができた。
結論
障害者ピアサポート研修に関する研究協力者からの聴き取り及び自治体を対象としたアンケート調査から、現状と課題が明らかとなった。次年度は、研修の講師・ファシリテーターを担っている人たちからのアンケートを実施し、さらに詳細に現状を分析した上で、研修の見直し案を提示する予定である。知的障害領域のピアサポートについても、さらに調査を進めながら、今後の方向性や可能性についての検討を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
202417047Z