医療と介護の連携のための地域情報基盤の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201001032A
報告書区分
総括
研究課題名
医療と介護の連携のための地域情報基盤の構築に関する研究
課題番号
H22-政策・一般-014
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 藤野善久(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成24年度の診療報酬の改定は介護報酬及び医療法との同時改定となる。高齢社会の進行を考えると、医療施設における機能分化と連携を進めることに加えて医療と介護との連携推進が重要な課題となる。そこで本研究では各種行政データを用いて医療と介護とを総合的に分析する方法論の開発を試みた。
研究方法
分析に用いた資料は①厚生労働省の公開しているDPCデータ(平成21年7月‐12月退院患者分)、②九州地方厚生局が公開している福岡県内の医療施設に関するデータ、③WAM netで入手できる福岡県内の介護サービス事業者に関するデータ、④介護保険レセプトデータ個票、⑤国民健康保険レセプトデータ個票、⑥長寿医療制度レセプトデータ個票、⑦日常生活圏域ニーズ調査データ個票である。分析対象施設は福岡県京築医療圏と粕屋医療圏で、④?⑦については個人情報保護について議会の承認が得られた行橋市のデータのみを用いた。
 上記データをもとにDPCのMDC別の診療実績を施設別に分析し、またレセプト情報をもとに患者の受療圏を分析した。さらに地理情報システムを用いた分析により、医療介護施設の空間的配置の妥当性に関する検証を行った。
結果と考察
本研究の結果以下のことが明らかとなった。
・厚生労働省の公開しているDPCデータ、各保険者が持っているレセプトデータは、医療圏の診療実績とその課題を明らかにする上で有用な情報であった。
・地理情報システムを用いた分析を行うことで、地域の課題をより明確にすることができた。
・今回分析を行った2つの医療圏の場合、救急を含めて日常的な医療に関してはおおむね自己完結していると考えられた。しかしながら、症例数の少ないがんやその集学的な治療(特に手術、化学療法、放射線治療)については、より広域で圏域を設定し、その中での機能分化と連携体制の確立を図ることが望ましいと考えられた(例えば本分析対象の地域では、京築医療圏は北九州医療圏と連動した広域医療圏、粕屋医療圏は福岡糸島医療圏と連動した広域医療圏)。
結論
厚生労働省の公開しているDPCデータ、各保険者が持っているレセプトデータを分析することで、地域の医療課題を明確にすることが可能であり、その結果は実効性のある医療計画策定に有用である。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001032Z