国際的な労働力移動自由化時代における歯科医師養成制度のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201001020A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な労働力移動自由化時代における歯科医師養成制度のあり方に関する研究
課題番号
H22-政策・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
鶴田 潤(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 森尾 郁子(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 近年、世界的に国際的な労働力の移動が活発となり、高度専門的職業人が国境を越えて移動し他国で労働を行うことが始まっている。特に医療職における高度専門的職業人については、国ごとに、免許認可、労働許可/管理を行っているため、国境を越えての労働を行うためには、免許内容の認証、労働許可条件の認証が必要となってくる。本研究においては、歯科医療従事者、特に歯科医師の国際的移動について情報を分析するために、その養成教育課程の内容や社会的背景をふまえた調査を行うことを目的とし、平成22年度については、欧州、北米、日本、平成23年度については、ASEAN加盟国を中心に調査をすることとした。
研究方法
 資料調査、インタビュー調査を通し、現在我が国で「歯科医師」として労働している者について、取り巻く状況、教育課程、免許取得、生涯研修制度、社会保険医登録、認定医・専門医制度等の歯科医療骨格の基本をなす部分、外国人・外国人歯科医師の受入れ制度の状況や、他国との連携状況の調査をした。また、既に多国間での歯科医師免許の認証を行なっているEU/EEA加盟国について、歴史、外国人受入れ制度、法的根拠、歯科医師教育制度(卒前、卒後、生涯研修)、歯科医師数、社会保険制度との関連等を調査した。北米として、米国における外国人歯科医師の受入れ制度について、教育過程、試験制度等を調査した。
結果と考察
 日本では、卒前教育制度、卒後歯科臨床研修制度が充実化してきている一方、卒後生涯研修制度の未整備、保険医管理の状況が不明確である点が認められた。EU/EEA加盟国においては、加盟国全てに対して遵守すべき法的根拠が示され、各国、それぞれの国の状況に照らし合わせながら、保険医登録等他国歯科医師の受入れ体制を整備していた。その一方、教育内容の収斂・標準化を目指す活動であるDentEdが、ヨーロッパ歯科医学教育学会により行われていた。米国においては、ADA等の組織が管理業務を行う部分があるものの、50州それぞれに州政府としての体制があり、教育要件、臨床要件が様々であった。
結論
 我が国においては、卒前教育制度、歯科臨床研修制度は充実してきている一方、他国と比較して、生涯研修が義務でない点や社会保険制度における保険医管理の問題点等が見出され、今後、現行制度から発展した外国人歯科医師受入れ体制を考える場合には、それら制度の改革が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001020Z