文献情報
文献番号
200941017A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の有害性評価手法の迅速化、高度化に関する研究-網羅的定量的大規模トキシコゲノミクスデータベースの維持・拡充と毒性予測評価システムの実用化の為のインフォマティクス技術開発-
課題番号
H21-化学・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
研究分担者(所属機関)
- 北野 宏明(特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構)
- 北嶋 聡(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
- 相崎 健一(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
54,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
先行実施された化学物質リスク評価の基盤整備としてのトキシコゲノミクス研究の成果を受け継ぎ拡充しつつ、毒性分子メカニズムに依拠した毒性予測評価システムの実用化の最終段階としてのインフォマティクス技術を開発する。
研究方法
実測データから遺伝子発現ネットワークを描出する至適技術を見いだすために、独自の絶対量化手法(Percellome法。特許取得済)を、マウス全遺伝子をカバーするAffymetrix GeneChipに適用して取得した、高精度かつ網羅性の高いPercellomeデータ(約100化合物単回投与、新型慢性毒性、多臓器連関、胎児初期発生過程、概日リズム等)をサンプルデータとして用い、既存アルゴリズムや文献情報を参照しつつ、Percellomeデータの解析により獲得した未発表情報と独自アルゴリズムを集約し、解析システムの最適化を進め、現実的かつ独創的なネットワーク描出技術を開発する。
結果と考察
初年度はモデルネットワークとして、ダイオキシン関連の遺伝子発現ネットワークを取り上げた。PercellomeデータベースからTCDD, TCDF, 3-MC, indigo等の化学物質暴露データを引用して、個々の遺伝子についての発現解析と、全体としてのクラスタリング解析を行ってネットワーク描画の要素を抽出した他、PubMed等から既知情報を収集し、ダイオキシン受容体(AhR)ネットワークの骨格を作成した。さらにAhRを介さない遺伝子発現誘導の詳細を解析するために、AhR遺伝子ホモ欠失マウスを用いた網羅的な遺伝子発現測定を実施した。
またPercellomeデータベースを塊として一括処理し、化学物質間の類似性や個々の遺伝子の発現特性を抽出する試みとして、独自のアルゴリズムを利用した大規模計算を行い、一定の成果を得た。
次年度に向け、アルゴリズムの最適化とデータ集積を集中的に行い、より広範囲の遺伝子発現ネットワーク描出が可能な技術の開発を目指す。
またPercellomeデータベースを塊として一括処理し、化学物質間の類似性や個々の遺伝子の発現特性を抽出する試みとして、独自のアルゴリズムを利用した大規模計算を行い、一定の成果を得た。
次年度に向け、アルゴリズムの最適化とデータ集積を集中的に行い、より広範囲の遺伝子発現ネットワーク描出が可能な技術の開発を目指す。
結論
初年度は、実測データの性質を調べ、解析アルゴリズムを適用する際のパラメータ最適化等の初期条件設定や、文献や公開データベース等の既存情報等からの基礎情報の収集を重点的に行った。この結果、限定的ながら部分ネットワークが描画されつつあり、研究の方向性が正しいことが確認された。
公開日・更新日
公開日
2010-05-30
更新日
-