文献情報
文献番号
202408056A
報告書区分
総括
研究課題名
「20歳未満の喫煙率・飲酒率」のモニタリングとその対策、及び「生理の貧困」に係るとりまとめの研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24FA2003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 健二(国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 越智 真奈美(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所 政策科学研究部 政策開発研究室)
- 星野 絵里(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所 政策科学研究部 政策評価研究室)
- 松原 圭子(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所 ダイバーシティ研究室)
- 石塚 一枝(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 女性の健康総合センター 女性のライフコース疫学研究室)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
17,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、中高生における喫煙・飲酒の実態(課題1)と、生理に関する実態(課題2)の2つの課題に取り組んでいる。課題1では、中高生の喫煙及び飲酒は発達段階にある子どもにとって、様々な身体的・精神的な影響がある。そこで、健康日本21において、20歳未満の喫煙・飲酒に関してこれをゼロにするという目標値が掲げられ、中高生の喫煙・飲酒の実態を把握することが求められていた。課題2では、近年、女性の健康が社会的に注目されており、女性特有の健康課題の一つに「生理(月経)」がある。2022年に厚生労働省が「生理の貧困」に関する実態調査をおこなったが、その実態や対策を幅広に検討するために、中高生における生理の実態や関連した症状や生活などへの影響、周囲の支援状況に関する実態を把握することが必要となった。そこで本研究では、課題1の喫煙・飲酒、課題2の生理について、中高生を対象とした大規模な調査を実施し、その現状と実態を把握することを目的とした。
研究方法
本研究では、課題1と課題2のふたつの課題の調査を一つの大規模調査の中にまとめて実施した。サンプリングバイアスを小さくするために、調査対象校は2024年版の全国学校データを用い、層別一段集落抽出法により抽出した。調査は調査協力の意向が得られた中学校・高校を対象に実施され、回答方法は、質問紙調査(質問紙回答)と、学習用端末を用いたオンライン調査(オンライン回答)のどちらかを学校単位で選択できるようにした。いずれの調査方法でも調査項目の表記やその順番は同じとしたが、オンライン回答の場合は、女子生徒のみを対象に、さらに生理の実態調査に関する項目が表示され、回答が得られるような設定とした。こうした対象校の抽出や、調査の実施に向けた手順などについては、すでに同様の調査実績が豊富な国立精神・神経医療研究センターの研究チームの知見と協力を得た。
課題1の喫煙・飲酒に関する調査は、その内容が法律に反する内容であり、生理に関する調査は性教育に関連しうる内容であったため、研究の実施に先立ち、関係機関や関係者には十分に説明をおこない、了承や理解を得た上で調査を実施するよう努めた。また、その研究計画については、調査の実施に先立ち、国立成育医療研究センター倫理審査委員会の承認を得た(課題番号2024-057)。
課題1の喫煙・飲酒に関する調査は、その内容が法律に反する内容であり、生理に関する調査は性教育に関連しうる内容であったため、研究の実施に先立ち、関係機関や関係者には十分に説明をおこない、了承や理解を得た上で調査を実施するよう努めた。また、その研究計画については、調査の実施に先立ち、国立成育医療研究センター倫理審査委員会の承認を得た(課題番号2024-057)。
結果と考察
調査は2024年11月~12月末に実施された。調査対象校として抽出された中学校244校および高等学校236校の合計480校のうち、調査協力の応諾を得られたのは中学校43校、高等学校41校の計84校であった。調査を実施した84校のうち、郵送調査が22校、オンライン回答が62校であった。有効回答数は計37,677名であった。中学校の学年別回答数は、1年生5,257名、2年生5,142名、3年生4,642名、計15,070名(学年その他14名、無回答15名含む)であった。高等学校では、1年生8,886名、2年生8,133名、3年生5,568名、計22,607名(学年無回答20名含む)であった。性別は、男子18,452名(49.0%)、女子18,974名(50%)、無回答251名(1%)であった。課題2の生理に関する調査は、オンライン回答を希望した62校(中学校30校、高等学校32校)の女子生徒13,469名が有効回答とみなされた。今年度はこれらの調査の実施とその回答結果の電子データ化まで進めることができた。今後、健康日本21(第三次)の指標や、中高生の喫煙・飲酒の背景要因の探索、生理の実態や支援状況の把握と、実施可能な対策の検討などを進めていく。
結論
今年度は、中学生および高校生の喫煙・飲酒および生理の実態に関して、大規模かつ代表性が高くなることを目指した調査を計画・実施した。今年度、本研究で得られたデータについては、来年度以降に解析を進め、健康日本21(第三次)の指標としての公表や、国や自治体における政策や、各学校における健康教育に活用できるようなエビデンスの提示を目指していく。
公開日・更新日
公開日
2025-08-27
更新日
-