予防・健康づくりのための住環境整備のための研究

文献情報

文献番号
202408019A
報告書区分
総括
研究課題名
予防・健康づくりのための住環境整備のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1009
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
林 基哉(北海道大学 大学院工学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 佐伯 圭吾(奈良県立医科大学 医学部)
  • 杉山 大典(慶應義塾大学 看護医療学部)
  • 池田 敦子(荒木 敦子)(北海道大学 大学院保健科学研究院)
  • 長谷川 兼一(秋田県立大学 システム科学技術学部)
  • 森 太郎(北海道大学 大学院工学研究院)
  • 桑沢 保夫(建築研究所 環境研究グループ)
  • 東 賢一(近畿大学 医学部)
  • 阪東 美智子(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
  • 開原 典子(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
  • 金 勲(キム フン)(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
  • 小林 健一(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 本間 義規(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
住環境と生活習慣病の関係に関するエビデンスの収集・整理,予防・健康づくりのための住環境条件に関する整理,住宅環境整備による予防・健康づくりに対する効果に関する分析をおこない,予防・健康づくりのための住環境ガイドライン作成のための基礎資料とし,生活習慣病・健康づくりにかかる住環境整備の普及・啓発のための提案を行う。住環境や居住リテラシー(住生活の習慣や知恵)と健康の関係に関する国内外のエビデンスの収集整理,住宅環境の実態と関連施策動向を踏まえた住宅環境に係る健康影響の把握,今後の状況を推定する技術の整備によって,公衆衛生学,看護学,医学,建築学等の関係専門分野に関する科学的根拠を得る。住環境の向上が生活習慣病の予防,健康寿命の延伸など,国民のQOL向上に資する機序を総合的に想定することで,国民の生活習慣病の予防・健康づくりの基礎となる住環境整備に関するガイドラインの整備,その普及と啓発に関する提案を行う基礎が得られる。
研究方法
本研究は以下の3項目によって構成され,本年度は,B1,B2,B3を実施した。
B1.住環境と生活習慣病の関係に関するエビデンスの収集・整理
 住宅環境と生活習慣病を中心とした健康影響・健康増進に関する最新情報を収集してガイドラインに向けて,①WHO等国際機関,海外機関の動向・文献の調査,②国土交通省等の国内機関の動向・文献の調査,③生活習慣病関連ガイドライン等における住環境要因の扱いに関する動向の調査および内容の整理,を行う。
B2.予防・健康づくりのための住環境条件に関する整理
 ①生活習慣病に関連する住環境条件(温熱,空気,音,光等)の整理,②生活習慣病に関連する居住リテラシー(暖冷房,換気,掃除,着衣,生活スケジュール,その他の生活習慣)の整理を,行う。
B3.住宅環境整備による予防・健康づくりに対する効果に関する分析
 ①住宅ストックと低炭素(省エネルギー)等の施策を踏まえた住環境の将来予測,②住環境整備による生活習慣病の予防・健康づくり効果に関する調査・分析を,行う。
以上のように,本研究は既往の文献および公表データに基づいており,個人情報を全く使用せず,倫理面の問題は発生しない。
結果と考察
住環境と生活習慣病に関する調査は以下を示した。豪州ビクトリア州の健康住宅プログラム(VHHP)は、冬期住環境の改善は環境・保健医療・経済面で改善効果を持つ。また、グリーンまたはブルー空間が生活習慣病に対して保護的な作用を示す。生活習慣病・循環器疾患の診療ガイドラインには住環境の記載は非常に少ない。
建築物省エネ法、ZEH・LCCM住宅の動向、関連の統計データ、法的枠組みを整理すると、英国HHSRSに対して住宅に対する公的介入の差は大きい。自治体の住生活基本計画で住教育が位置付けられているのは半数以下であり、アンケート調査によると室内環境の啓発が急務であるなど課題が多い。暖房が普及している札幌市においても、子どのも住宅の室温は平均18.3±3.0℃、最低14.3±4.0℃でWHO指針を満たすのは半数程度で極端に室温が低い住宅がある。また、低湿度に関する研究がやや増える傾向にある。
室内環境の改善効果を明らかにするために、全国の循環器疾患死亡率と居住環境要因の分析によると、居住環境整備が居住者の健康維持に関連する。奈良県在住の高齢者1479名に対する調査により、入浴前の住環境を温かく保つことで、高温入浴や、長時間入浴が減少する可能性が示された。また、75歳以上の住宅死亡に着目し二次医療圏および都道府県単位でクラスター分析と相関・回帰分析によると、住宅の断熱・結露防止工事は冬季死亡率の抑制に効果があり、延べ面積は季節別の死亡率と関連する。特に住宅死亡では冬期依存性が高く、木造住宅や腐朽の進んだ住宅がリスク要因となる可能性がある。また、医療費に対しては地価や改修内容など経済的要因の影響が大きい。
健康日本21(第3次)「自然に健康になれる環境づくり」の推進とエビデンス構築が重要である。
結論
住環境と健康影響、特に健康予防づくりの関係について多面的な調査研究が国内外で行われて、冬期の室温などの室内環境の重要性が指摘されている。WHOは住宅の室内環境に関するガイドラインを示してるが、国内においてが広く浸透していない。住宅における省エネルギー化・低炭素化と共に、住環境に関する健康リテラシーの普及が必要である。

公開日・更新日

公開日
2026-02-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-02-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
202408019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,940,000円
(2)補助金確定額
5,713,000円
差引額 [(1)-(2)]
227,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,921,342円
人件費・謝金 879,575円
旅費 1,579,256円
その他 792,965円
間接経費 540,000円
合計 5,713,138円

備考

備考
自己資金138円

公開日・更新日

公開日
2026-02-05
更新日
-