文献情報
文献番号
202408018A
報告書区分
総括
研究課題名
20 歳未満の喫煙、飲酒等の実態把握及び環境要因の解明のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1008
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
金城 文(田原 文)(鳥取大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 尾崎 米厚(鳥取大学 医学部 社会医学講座 環境予防医学分野)
- 兼板 佳孝(日本大学 医学部 社会医学系公衆衛生学分野)
- 神田 秀幸(岡山大学 学術研究院医歯薬学域)
- 樋口 進(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 臨床研究部)
- 井谷 修(日本大学医学部 社会医学系公衆衛生学分野)
- 地家 真紀(池田 真紀)(昭和女子大学生活科学部食安全マネジメント学科)
- 大塚 雄一郎(日本大学医学部社会医学系公衆衛生学)
- 吉本 尚(筑波大学 医学医療系)
- 真栄里 仁(独立行政法人国立病院機構琉球病院)
- 美濃部 るり子(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター)
- 桑原 祐樹(鳥取大学医学部環境予防医学分野)
- 春日 秀朗(福島県立医科大学 衛生学・予防医学講座)
- 伊藤 央奈(高橋 央奈)(郡山女子大学 家政学部)
- 今本 彩(鳥取大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
20歳未満における喫煙及び飲酒の開始は、青少年期の健康のみならず、その後の社会生活にも影響を及ぼす。本研究は20歳未満の喫煙及び飲酒の状況や喫煙及び飲酒行動開始と関わる要因、受動喫煙の状況を把握し、関連する環境要因等の改善に資する施策やその費用対効果等を検討することを目的として、3つの柱を軸に研究を実施した。3つの柱は、柱1.中高生の喫煙及び飲酒行動、受動喫煙の実態把握、柱2.18~20歳の喫煙及び飲酒行動の実態把握、柱3.20歳未満の喫煙及び飲酒を防止する有効な施策の検証、である。
研究方法
柱1では、令和5年度全国学校調査の結果をもとに、令和6年度は中高生全国調査(短縮版)の準備を進めたが、他研究との重複を回避するため調査を中止し、令和7年度中高生全国調査(本調査)に一本化し、令和7年度調査準備を進めた。調査項目の検討に際しては、Cochrane LibraryやWHOのBest Buys等の国際的エビデンスを参照した。
柱2では、18~24歳を対象に含む既存の全国調査データを分析した。本既存調査は層化二段無作為抽出法により、10政令指定都市と東京23区の220地域の住民基本台帳から抽出された18~24歳5,500人に回答を依頼し、1,775人(32.2%)の回答が得られた訪問面接調査であった。本研究では、上記調査の喫煙と飲酒に関する質問を元に、喫煙については紙巻たばこ、加熱式たばこ、電子たばこの使用経験者、現在使用者、飲酒については過去1年間飲酒者、一時多量飲酒者、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(以下、高リスク飲酒者)を年齢別に把握した。
柱3では、学校における飲酒予防プログラムの有効性を検証するため、2011年以降の文献を対象とした系統的レビューを実施した。
柱2では、18~24歳を対象に含む既存の全国調査データを分析した。本既存調査は層化二段無作為抽出法により、10政令指定都市と東京23区の220地域の住民基本台帳から抽出された18~24歳5,500人に回答を依頼し、1,775人(32.2%)の回答が得られた訪問面接調査であった。本研究では、上記調査の喫煙と飲酒に関する質問を元に、喫煙については紙巻たばこ、加熱式たばこ、電子たばこの使用経験者、現在使用者、飲酒については過去1年間飲酒者、一時多量飲酒者、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(以下、高リスク飲酒者)を年齢別に把握した。
柱3では、学校における飲酒予防プログラムの有効性を検証するため、2011年以降の文献を対象とした系統的レビューを実施した。
結果と考察
柱1においては、令和7年度中高生全国調査では、製品の手頃さ、入手のしやすさ、社会的受容性など環境要因に関する項目を盛り込み柱3に活用する方針とした。
柱2においては、喫煙については1,738人を対象に分析し、18歳における使用経験者は紙巻たばこ2.2%、加熱式たばこ2.5%、電子たばこ1.8%、19歳ではそれぞれ2.6%、3.8%、2.1%であった。紙巻たばこの現在使用者は、20歳で大きく増加した。飲酒については1,743人を対象に分析し、18歳において過去1年飲酒者11.1%、一時多量飲酒者0.4%、高リスク飲酒者0.4%、19歳ではそれぞれ23.2%、2.5%、1.2%であり、年齢が上がるにつれ増加した。本結果は、18~19歳における喫煙及び飲酒の実施率は相対的に低い一方で、加熱式たばこが20歳未満で紙巻たばこと同程度またはそれ以上に試されやすいこと、飲酒経験がすでに一定程度存在することを示しており、18~19歳に対する予防的介入の必要性を裏付けるものであった。
柱3においては、文献データベースから抽出した1,922件のうち、1次スクリーニングで98件の候補研究を抽出し、令和6年度はこの1次チェックまでを完了した。今後、2次チェック、対象研究の確定、研究の質評価、メタアナリシスの実施可能性の検討へと進める。また、教育的施策に加えて、製品の手頃さ、入手のしやすさ、社会的受容などの環境要因も含めた多層的施策について、柱1の令和7年度中高生全国調査の結果を反映させ検討する予定である。
柱2においては、喫煙については1,738人を対象に分析し、18歳における使用経験者は紙巻たばこ2.2%、加熱式たばこ2.5%、電子たばこ1.8%、19歳ではそれぞれ2.6%、3.8%、2.1%であった。紙巻たばこの現在使用者は、20歳で大きく増加した。飲酒については1,743人を対象に分析し、18歳において過去1年飲酒者11.1%、一時多量飲酒者0.4%、高リスク飲酒者0.4%、19歳ではそれぞれ23.2%、2.5%、1.2%であり、年齢が上がるにつれ増加した。本結果は、18~19歳における喫煙及び飲酒の実施率は相対的に低い一方で、加熱式たばこが20歳未満で紙巻たばこと同程度またはそれ以上に試されやすいこと、飲酒経験がすでに一定程度存在することを示しており、18~19歳に対する予防的介入の必要性を裏付けるものであった。
柱3においては、文献データベースから抽出した1,922件のうち、1次スクリーニングで98件の候補研究を抽出し、令和6年度はこの1次チェックまでを完了した。今後、2次チェック、対象研究の確定、研究の質評価、メタアナリシスの実施可能性の検討へと進める。また、教育的施策に加えて、製品の手頃さ、入手のしやすさ、社会的受容などの環境要因も含めた多層的施策について、柱1の令和7年度中高生全国調査の結果を反映させ検討する予定である。
結論
令和6年度は、柱1において令和7年度中高生全国調査の準備を進め、柱2では既存調査を用いた18~24歳の喫煙及び飲酒行動の実態分析を行い、柱3では学校における飲酒予防プログラムに関する文献の1次スクリーニングを実施した。柱2の分析からは、18~19歳における喫煙及び飲酒の実施率は相対的に低く抑えられている一方で、加熱式たばこは20歳未満において紙巻たばこと同程度あるいはそれ以上に試されやすい傾向があり、特に20歳未満における新型たばこの影響が課題として浮かび上がった。また、過去1年飲酒者は18歳、19歳で、それぞれ10%、20%を超えており、年齢とともに高くなる傾向が認められた。これらの結果は、18~19歳においても喫煙及び飲酒行動への予防的対策が重要であることを示している。令和7年度には、中高生全国調査を実施し、その結果を柱2の分析結果と統合することで、20歳未満の年齢別の喫煙率及び飲酒率の把握を行う予定である。さらに、柱3と連携し、健康づくりや疾病予防の推進における課題の抽出を進めるとともに、危険な飲酒の防止に向けた具体的な施策の立案に資することを目指す。
公開日・更新日
公開日
2026-02-12
更新日
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