文献情報
文献番号
202408003A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づいたロコモティブシンドローム早期対策の実践に資する包括的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
田中 亮(国立大学法人広島大学 大学院人間社会科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 安達 伸生(広島大学 大学院医歯薬保健学研究院)
- 三上 幸夫(広島大学病院 リハビリテーション科)
- 高橋 真(広島大学 大学院医系科学研究科(保))
- 緒形 ひとみ(国立大学法人広島大学 大学院 人間社会科学研究科)
- 秋田 智之(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
- 光武 翼(佐賀大学医学部付属病院臨床研究センター)
- 猪村 剛史(広島都市学園大学 健康科学部リハビリテーション学科)
- 生田 祥也(広島大学 病院 整形外科)
- 岩本 義隆(広島大学病院 診療支援部リハビリテーション部門)
- 田中 繁治(東京家政大学健康科学部)
- 牛尾 会(広島大学病院 リハビリテーション科)
- 平田 和彦(広島大学病院 診療支援部リハビリテーション部門)
- 井上 優(吉備国際大学 保健医療福祉学部)
- 山科 俊輔(広島大学 大学院人間社会科学研究科)
- 出口 直樹(東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
4,816,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、ロコモティブシンドローム(ロコモ)、フレイル、サルコペニアの関係性を整理し、エビデンスに基づいて簡便な診断法や介入方法を確立し、将来的に要介護となる者を未然に減らす施策の提言を行うことである。
研究方法
令和5年度に引き続き令和6年度も本研究のために3つの研究項目を設定した。研究項目1は「ロコモのスクリーニング方法の検証」とした。横断研究を行ってロコモ非該当を基準個体とした体力測定の基準範囲を検証した。また、若年者を含む非高齢者を対象にロコモ度を推定する体力測定の診断閾値を検証した。さらに、スマートフォンのカメラを使って歩行の運動学的特徴からロコモ度を推定できるか検討した。研究項目2は「運動と栄養に睡眠管理を加えた有効性の検証」とした。ランダム化比較試験(RCT)を行い、地域在住高齢者を対象に運動、栄養、睡眠に着目した生活習慣の見直しが移動機能の改善に及ぼす効果を検証した。研究項目3は「ロコモ、フレイル、サルコペニアの因果関係の検証」とした。コホート研究を実施し、サルコペニアの有無と1年後のロコモ進行の関係、および、ロコモの有無と1年後のフレイル進行の関係を検討した。
結果と考察
研究項目1ではロコモ非該当を基準個体とした握力、歩行速度、Timed up & go(TUG)テストの基準範囲が再評価された。また、若年者を含む非高齢者であってもロコモ度を推定する精度が著しく低下しないようスクリーニング方法を改変した。さらに、歩行の運動学的特徴からロコモの有無や重症度を推定できる可能性が示唆された。研究項目2ではRCTの結果、運動および食に加えて睡眠にも着目した生活習慣の見直しには地域在住高齢者の移動機能を5歳分程度改善させる効果があることが示唆された。研究項目3ではロコモ度2以上であることと1年後のフレイルの進行の有意な関連が示された。
結論
体力測定の結果を活かしたスクリーニング方法が確立された。睡眠管理を含めた生活習慣の見直しは地域在住高齢者のロコモの改善に有効であることを示すエビデンスが得られた。ロコモとフレイルの因果関係の一部が認められた。
公開日・更新日
公開日
2025-12-08
更新日
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