文献情報
文献番号
202408001A
報告書区分
総括
研究課題名
健康無関心層のセグメント化と効果的介入手法の検討:ライフステージに着目して
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
福田 吉治(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 石川 ひろの(帝京大学大学院公衆衛生学研究科)
- 近藤 尚己(京都大学 大学院医学研究科 社会疫学分野)
- 本庄 かおり(大阪医科薬科大学医学部)
- 林 芙美(学校法人香川栄養学園女子栄養大学 栄養学部)
- 田淵 貴大(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科)
- 村山 洋史(東京都健康長寿医療センター)
- 金森 悟(帝京大学 大学院 公衆衛生学研究科)
- 甲斐 裕子(公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所)
- 鈴木 有佳(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
健康寿命の延伸、疾病予防、健康増進を目的に、特に健康無関心層に対して効果的な介入を実施するため、健康無関心層の特性把握と同定方法、および健康無関心に関連する要因を明らかにすること、新しい生活様式の中で効果的な取組を実装するために、集団をセグメンテーションする方法を明らかにすること、および各種取組の健康無関心層と健康格差への影響を明らかにし、効果的な取組方法を提言することを目的とする。
研究方法
上記を目的に、研究1では、健康無関心層の定義と同定方法およびその活用に関する研究、研究2では、行動科学を応用した職場の健康増進プログラムへの経年参加パターンと代謝関連指標の関連:エンターテイメント型職域保健プログラム「健診戦」5年間縦断研究、研究3では、国民生活基礎調査データを用いた健診未受診者の特性把握、研究4では、栄養バランスの良い食事を摂ることに対する価値観の類型化とその関連要因の検討、研究5では、飲み放題の利用と問題飲酒の関連の検証、研究6では、地域高齢者における健康への関心度と食行動及び食環境整備制度の認知との関連、研究7では、職域におけるナッジを活用した身体活動促進ツールの開発と評価として、健康無関心層へのアプローチの可能性について検討した。
結果と考察
研究1では、健康無関心層を定義し、健康関心の程度を定量化する質問紙を開拓することができた。研究2では、「健診戦」への参加は、1回でも健康指標改善に寄与し、継続的な参加によってその効果はより高まることが示唆された。研究3では、健診受診行動は、社会経済状況ならびにそれぞれのライフステージで求められる家庭生活における役割、働き方、そして、それらに付随する医療保険種別による健診受診資源の影響を受けていると考えられた。研究4では、日本人の若者層における栄養バランスの良い食事に対する価値観を主成分分析により類型化し,各類型の特徴を明らかにした。研究5では、飲み放題の利用は社会経済的要因に関わらず、問題飲酒(リスク飲酒ならびにアルコール依存症疑い)ならびに機会大量飲酒に対するリスク要因であることが分かった。研究6では、健康への関心度が低いほど、健康日本21(第三次)の栄養・食生活の目標で示されている望ましい食行動を実践しにくく、自治体が実施する食環境整備制度の認知度が低いことが示された。研究7では、PANワークシートは、職域で活用可能なナッジ実践支援ツールとして有用であり、健康無関心層へのアプローチ手段としての可能性も示された。
結論
健康無関心層の定義および健康関心度を定量化することで、集団において健康無関心層を同定し、アプローチすることがより簡便に可能となった。また、各種調査の分析により、健康関心度尺度等と健康行動との関連が示された。これらの結果をもとに、ナッジを応用した健康づくりガイドブックの公開、研修会等により研究成果の普及啓発とともに、健康無関心層への効果的なアプローチ方法として、ナッジと行動経済学を応用した取組を推進した。
公開日・更新日
公開日
2025-12-03
更新日
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