医薬品規制の国際調和の推進による医薬品審査の迅速化のための基盤的研究

文献情報

文献番号
200940048A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品規制の国際調和の推進による医薬品審査の迅速化のための基盤的研究
課題番号
H21-医薬・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 新見 伸吾(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 内田恵理子(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
  • 檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 成川 衛(北里大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、医薬品の承認審査等に必要となる医薬品の品質特性解析や製法評価、規格試験法や承認申請に関連する医薬品規制の国際調和を推進するための基盤的研究として、試験法の標準化、国際調和案の裏付けとなる科学的データの取得や調和を目指す試験法を評価するための先導的な研究を行うことを目的とする。
研究方法
①糖タンパク質医薬品の特性・品質解析法の開発、②抗体医薬品の生物学的試験法、③製造方法の異なるバイオ医薬品の有効性評価法、④遺伝子治療薬の規制、⑤医薬品一般試験法、⑥医薬品品質システム導入・実践のための調査研究、⑦販売承認に関する規制、及びこれらの国際調和について研究及び調査を行った。
結果と考察
①バイオ医薬品の製法変更及びバイオ後続品開発における糖タンパク質医薬品の糖鎖の類似性評価法としてnanoLC/MSを利用できることを確認した。また、工程設計及び工程管理に利用できる糖鎖恒常性評価技術を開発するためのモデルシステムを開発した。②国内外での抗体医薬品の承認と規制の現状、エフェクター活性の最適化を目的とした改変型抗体の開発動向及び現在のエフェクター活性測定系の問題点を明らかにした。③3種類の異なる細胞で製造されたヒト肝細胞増殖因子の活性が製造方法によって異なることを確認し、バイオ後続品の同等性評価における生物活性の重要性が示された。④遺伝子治療用ベクターやウイルスの排出と伝播のリスク評価法に関する国際調和指針に盛り込むべき要件として、ウイルスやベクターの生物学的特性及び排出分析法の特徴と問題点を明らかにした。⑤医薬品一般試験法について、製剤総則の大改定に伴い新たに設定が必要な製剤特性試験とこれら試験の諸外国の局方での整備状況を明らかにし、日局への導入の可能性を考察した。⑥国際調和されたICHの製剤開発・品質リスクマネジメント・医薬品品質システムの3ガイドラインの実施に当たっての疑問点に対し、実施作業部会での検討を行い、Q&Aの作成と教育プログラムを構築した。⑦欧米における医薬品販売承認の更新、条件付き販売承認、添付文書の承認上の位置づけ等に関する規制及びその運用状況を明らかにし、我が国の制度のあり方を考察した。
結論
医薬品の品質・特性解析法、生物活性・有効性評価法、一般試験法及び医薬品規制に関するガイドライン等の国際調和推進への寄与が期待される成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2010-06-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-04-07
更新日
-