特殊な包装形態の医療用医薬品へのバーコードの表示方法等に関する研究

文献情報

文献番号
200940040A
報告書区分
総括
研究課題名
特殊な包装形態の医療用医薬品へのバーコードの表示方法等に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 文人(東京医科歯科大学 歯学部附属病院薬剤部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては現時点で存在する医療用医薬品に使用されている包装材料や包装形態を把握しつつ、これらの調剤包装単位にバーコードを印刷する上で技術的課題が存在するものを把握し、それらについてバーコードを印字するためにはどのような表示方法があるのかについて具体的な検討を行うことにより、医療用医薬品へのバーコード印刷を実効あらしめることを目的とする。
そのために、本研究では製薬企業の生産ラインにおけるバーコード印刷のプロセスの把握を行い、印刷上の課題を明確にするとともに、バーコード印刷を行うための条件や技術的問題について検討を行う。また、印字されたものが、確実にバーコードリーダーで読み取れるための課題についても検討を行うものとする。さらに医療現場においてこれらのバーコードを活用するための課題についても検討を行うものとする。
研究方法
本年度は①スティック包装、②滅菌ブリスター、③坐剤、④SP包装の各包装形態について実験を行った。またユニットドースの点眼容器についても検討を行った。さらにバーコードリーダー機種による読み取り可能性について既にバーコード表示がされている注射剤を利用して調査を行った。一方、臨床においてバーコードが活用されるためには、バーコードに関する情報が重要であることから製品情報データベースの状況調査を行った。
結果と考察
バーコード表示における技術面の開発の観点からは、滅菌ブリスターを除いて実装可能な状況にあると考える。しかしながら、実用面の観点からは、スティック包装、坐剤、SP包装、ユニットドースの点眼容器とも大きな問題をかかえていることも判明した。これらに対しては、バーコードを印刷したシールを添付する等の代替案が必要と思われる。
バーコードリーダーにおいては特に大きな問題はなかった。バーコードに関する情報のデータベースへの登録は一部の製薬企業において、バーコード表示がされているにも拘わらず、データベース登録が行われていないことが確認された。また、販売承継品において未登録のケースが見受けられた。厚労省からの周知徹底が必要と思われる。
結論
今回実験を行った包装は結果的には全て問題が生じ、実用の観点からは代替案を検討することが必要である。バーコードの情報登録が一部の企業においてなされていないことが判明した。バーコードのデータベース登録は製薬企業の責務であり、厚労省から周知徹底を図る必要があると思われる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200940040B
報告書区分
総合
研究課題名
特殊な包装形態の医療用医薬品へのバーコードの表示方法等に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 文人(東京医科歯科大学 歯学部附属病院薬剤部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療用医薬品に関しては、外観あるいは名称類似による医薬品関連医療事故等を防止するために医薬品の調剤包装単位にバーコード表示をすることが決定し注射薬については平成20年既にバーコード表示が実施されている。しかしながら、PTP包装や坐薬のようにアルミ等を使用した素材、あるいは散剤等の分包品等においては、調剤包装単位に印字するためには技術的な検討を要するものが存在する。
そこで本研究では我が国の医療用医薬品において使用されている各包装材料・包装形態について調査を行い、これらにバーコード表示を行うことの技術的可能性を調査し、また、印刷されたバーコードの実用面での実現可能性についても検討を行う。
研究方法
医療用医薬品において使用されている包装形態、包装材料について調査を行い、これらに対するバーコード表示の技術面の問題や実用面の問題を検討するために、PTP包装、分包品、チューブ、スティック、滅菌ブリスター、坐剤、SP包装、ユニットドース点眼容器について調査を行った。また、バーコードリーダー、バーコード情報を登録するデータベースについても調査を行った。
結果と考察
バーコード表示での技術面では滅菌ブリスターに問題が生じた。また、スティック、滅菌ブリスター、坐剤、SP包装、ユニットドース点眼容器については、いずれも実用面において問題が生じた。したがってPTP包装、分包品、チューブについては現状において特に問題なくバーコード表示が可能かつ実用面でも問題は生じないと思われる。技術面あるいは実用面で問題が生じた包装形態については、バーコードを印刷したシールを添付する等の代替案が必要と思われる。
バーコードリーダーにおいては特に大きな問題はなかった。バーコードに関する情報のデータベースへの登録は一部の製薬企業において、バーコード表示がされているにも拘わらず、データベース登録が行われていないことが確認された。また、販売承継品において未登録のケースが見受けられた。厚労省からの周知徹底が必要と思われる。
結論
PTP包装、分包品、チューブは当初の予定通り、スティック、滅菌ブリスター、坐剤、SP包装、ユニットドース点眼容器については代替手段を考慮すべきと考える。
バーコードのデータベース登録は製薬企業の責務であり、完全に登録を行うべく厚労省から周知徹底を図る必要があると思われる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200940040C

成果

専門的・学術的観点からの成果
我が国では国レベルでコード体系を決定し、また、安全性確保の必要度が高い注射剤に対してバーコード表示を義務づけている。本研究は、注射剤以外の剤形の包装形態に対して、製薬企業レベルでの実施を念頭にバーコード表示の技術的面あるいは品質面での評価を含めて検討を行ったものである。本研究の成果を基に、剤形あるいは包装形態毎の実施期限等を定めることが可能となり、多種多様な剤形、包装形態を有する我が国において系統立った実施が実現できることになる。
臨床的観点からの成果
医療用医薬品すべてにバーコードが表示されることにより、医療機関におけるバーコードの活用は一段と進展すると思われる。オーダリングシステム等の病院情報システムを持たない施設を対象としたバーコード利用払出システムも開発されており、医療安全を目的としたバーコード表示を活用することにより、外観類似、名称類似によるエラー防止に役立つことふぁ期待できる。
ガイドライン等の開発
本研究の成果をふまえ、医薬品の業界である日本製薬団体連合会において、詳細なバーコード表示に関するガイドラインが出される予定である.
その他行政的観点からの成果
すべての医療用医薬品に対してバーコード表示をすることがは定められているが、必要性の高い注射剤については平成20年9月出荷分からバーコード表示が義務づけられたところであるが、今回の研究により、注射剤以外の剤形、包装形態等に対する実施時期を決めることが可能となった。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-